家・マンション購入の流れ【10ステップ】
はじめて住まいを買う人に向けて、物件探しから入居後の手続きまでの流れを10のステップで解説します。各ステップのチェックボックスで、進み具合を記録できます(この端末のブラウザにだけ保存されます)。
- 中古物件(仲介):申し込みから引き渡しまで、おおむね1〜2カ月
- 新築(完成済み):契約から1〜2カ月程度
- 新築(未完成):契約から完成・引き渡しまで数カ月〜1年以上
購入の10ステップ
-
希望条件の整理と資金計画
住みたい地域、マンションか戸建てか、新築か中古か、広さ、入居時期を整理します。あわせて、手元の資金(頭金+諸費用)と、無理なく返せる額から、借りる額の上限を考えます。
期間:数週間〜数カ月 / お金:この段階では不要
よくある失敗:「借りられる額」と「無理なく返せる額」を混同すること。教育費や車、老後の資金も含めて考えましょう。物件価格以外に諸費用がかかることも忘れずに。
-
住宅ローンの事前審査(仮審査)
金融機関に年収・勤務先・勤続年数・他の借入れなどを伝え、借りられそうかを簡易的に判定してもらいます。購入申し込みのときに事前審査の通過を求められることが多いので、物件探しと並行して早めに受けておきます。
期間:数日〜1週間程度 / お金:通常は無料
必要なもの(例):本人確認書類、源泉徴収票や確定申告書などの収入証明、物件の資料、他の借入れの返済予定表
よくある失敗:事前審査のあとに車のローンやカードの分割払いを組んだり、転職したりして、本審査で落ちてしまうこと。
-
物件探し・不動産会社選び・見学
ポータルサイトや不動産会社で情報を集め、現地を見学します。仲介物件を買う場合は、不動産会社と「媒介契約」を結びます。
確認したいこと:ハザードマップ(洪水・土砂災害など)、用途地域、前面道路、日当たり、騒音、通勤・通学。マンションは管理状態(修繕積立金の残高・値上げ予定・滞納)、戸建ては再建築できるか、境界、接道。
期間:数週間〜数カ月 / お金:見学・相談は通常無料。仲介手数料は契約が成立したときに発生します。
ポイント:見学は昼だけでなく、夜・休日・雨の日も見ておくと安心です。災害リスクは国土地理院の「重ねるハザードマップ」で自分でも確認しましょう。価格の目安は関東の相場で確認できます。
-
購入の申し込み・条件の交渉
購入申込書(買付証明書)を出し、価格・引き渡し時期・手付金の額・ローン特約・残していく設備などの条件を交渉します。新築分譲では「申込証拠金」を預けることがあります。
期間:申し込みから契約まで1〜2週間程度が多い / お金:申込証拠金(新築分譲で数万〜10万円程度が多い)。契約しなかった場合は返金されるのが原則です。
よくある失敗:口頭で決めた条件(設備を残す、修理してもらう など)を契約書に書いてもらわないこと。
詳しい記事:中古マンションの値下げ交渉と相場の調べ方
-
重要事項説明を受ける
売買契約の前に、宅地建物取引士から物件と取引条件についての説明を受けます。権利関係、法令上の制限、インフラ、契約解除の条件、ハザードマップ上の位置、マンションの管理規約や修繕積立金などが説明されます。
期間:1〜2時間程度(契約と同じ日に行うことが多い)
ポイント:当日に初めて読むのではなく、数日前に説明書の案をもらって読んでおくのがおすすめです。「ローン特約の期限と金額」「手付解除の期限」「契約不適合責任の期間」は必ず確認しましょう。
詳しい記事:マンションの管理の書類で見る点(修繕積立金)
-
売買契約・手付金の支払い
契約書の内容(代金、支払い日程、引き渡し日、手付解除の期限、違約金、ローン特約など)を確認して署名し、手付金を支払います。
お金:手付金(物件価格の5〜20%程度。売主が不動産会社なら上限は20%)、売買契約書の印紙税(例:1,000万円超5,000万円以下なら1万円。2027年3月31日までの軽減税率)、仲介手数料の一部(契約時に半額を支払うことが多い)
ローン特約とは:期日までに住宅ローンの承認が下りなかった場合に、手付金を返してもらって契約を白紙に戻せる約束です。金融機関名・借入額・期日が書かれているか確認しましょう。
よくある失敗:ローン特約の期日が短すぎて本審査が間に合わないこと。手付解除の期限を過ぎてから解約して、違約金が発生すること。
-
住宅ローンの本審査・ローン契約
売買契約のあと、すぐに本審査を申し込みます。団体信用生命保険(団信)の健康状態の告知や、物件の担保評価が行われます。承認されたら、金融機関とローン契約(金銭消費貸借契約)を結び、金利タイプや返済期間を確定します。
期間:本審査は1〜3週間程度が多い
お金:ローン事務手数料(借入額の2.2%程度の定率型、または定額型)、保証料、ローン契約書の印紙税(電子契約なら不要)。金融機関ごとの違いは銀行ごとの事務手数料・保証料・団信の比較へ。
ポイント:変動金利は、多くの金融機関で融資が実行される日(決済日)の金利が適用されます。返済額はローン返済シミュレーターで確認できます。
詳しい記事:変動金利の利上げで返済額はいくら上がる?
-
引き渡し前の確認
新築は完成後の内覧会で、キズや不具合がないか確認して補修を依頼します。中古は、約束した修理が済んでいるか、設備の状態や残置物を「付帯設備表」と照らし合わせます。火災保険(地震保険)の加入手続きもこの時期に行います。
期間:決済の1〜4週間前 / お金:火災保険料・地震保険料
-
決済・引き渡し・登記
平日の午前に、金融機関などで売主・買主・不動産会社・司法書士が集まります。ローンが実行され、残りの代金を支払い、鍵を受け取ります。同じ日に司法書士が法務局へ登記を申請します。
お金:残代金、固定資産税などの日割り清算金、管理費などの清算金(マンション)、登録免許税、司法書士報酬、仲介手数料の残り
必要なもの(例):本人確認書類、住民票(2026年10月5日以降の登記では本籍の記載があるものを求められる場合あり)、印鑑登録証明書、実印、ローン口座の通帳と届出印
よくある失敗:必要書類を忘れること。ネットバンキングの振込上限額を確認していないこと。
詳しい記事:決済当日の持ち物(引き渡し前チェックリスト)
-
入居後の手続き(税金・登記)
- 不動産取得税:入居して数カ月後に都県から納税通知書が届きます。住宅の軽減で0円や少額になることも多いですが、資金を残しておきましょう。
- 住宅ローン控除:入居した翌年に確定申告が必要です(会社員は2年目から年末調整で可)。年末のローン残高の0.7%が最大13年間、税金から差し引かれます。2030年末の入居分まで延長されています。毎年いくら戻るかの目安は住宅ローン控除シミュレーションで計算できます。
- 住所変更登記:2026年4月から、住所や氏名が変わったら2年以内の変更登記が義務になりました。
- 転入届、電気・ガス・水道、郵便の転送、マンションの管理組合への届け出など。
よくある失敗:確定申告を忘れて住宅ローン控除を受けそびれること。
2026年入居の住宅ローン控除の借入限度額
| 住宅の種類 | 一般 | 子育て・若者夫婦世帯 | 期間 |
|---|---|---|---|
| 新築:長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年 |
| 新築:ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 新築:省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 |
| 新築:その他の住宅 | 原則対象外 | ||
| 中古:長期優良・低炭素・ZEH水準 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 中古:省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 |
| 中古:その他の住宅 | 2,000万円 | 2,000万円 | 10年 |
物件の種類ごとの違い
| 新築マンション | 中古マンション | 新築戸建て | 中古戸建て | |
|---|---|---|---|---|
| 主な売主 | 不動産会社 | 個人が多い | 不動産会社 | 個人が多い |
| 仲介手数料 | 原則なし | あり | 仲介ならあり | あり |
| 欠陥への備え | 構造・雨漏りは10年の保証(品確法) | 契約書の契約不適合責任、既存住宅売買瑕疵保険 | 構造・雨漏りは10年の保証(品確法) | 同左+住宅診断(インスペクション)がおすすめ |
| 特に確認したいこと | 管理費・修繕積立金の将来の値上げ | 管理状態、長期修繕計画、旧耐震かどうか | 地盤、境界、接道 | 再建築できるか、境界、雨漏り・シロアリ |
関東で家を買うときの注意点
- 荒川・利根川・多摩川の流域や東京湾岸の低い土地では、浸水のリスクを必ず確認しましょう。
- 首都直下地震が想定されているため、耐震基準(1981年6月以降の新耐震基準かどうか)や地震保険の検討が大切です。
- 不動産取得税の窓口は、東京都は都税事務所、他の県は県税事務所です。東京23区の固定資産税も都税事務所が担当します。
出典
- 不動産ジャパン「不動産取引の流れ」https://www.fudousan.or.jp/kiso/buy/1_1.html
- 不動産適正取引推進機構「重要事項説明について」https://www.retio.or.jp/info/qa/qa1/
- 全宅連ハトマークサイト「売り主が宅建業者である場合の規制」https://www.hatomarksite.com/fj/buy/kisei.html
- 住宅金融支援機構【フラット35】https://www.flat35.com/
- 国土交通省「住宅ローン減税」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html
- 国税庁 No.1211-1 住宅借入金等特別控除 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm
- 法務省「住所等変更登記の義務化」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00687.html
- 国土地理院 ハザードマップポータルサイト https://disaportal.gsi.go.jp/
印刷元:関東 住まい購入ガイド(https://kanto-sumai.com/flow.html)。制度や手続きは変わることがあります。最新の内容はWebページでご確認ください。