カテゴリ:お金
引き渡し前にやることチェックリスト|契約後から入居後まで時期別に整理
情報の確認日 約10分で読めます公開日 2026年9月29日
制度は変わることがあります。手続きの前に公式情報もご確認ください。
売買契約を結んだあと、引き渡し(決済)の日までは、1〜2か月ほどしかないことがよくあります。その短い間に、ローン、保険、引越し、役所の手続きが重なります。この記事では、はじめて家を買う人に向けて、やることを「いつ・何を」の順にチェックリストにまとめました。

- 契約後すぐに住宅ローンの本審査を申し込む。ローン特約の期日に間に合わせるのが最優先。
- 火災保険は「引き渡し日から補償が始まる」ように、1か月前までに申し込みの準備をする。
- 住民票をいつ移すかは、登記や税の軽減に関係する。自分で決めずに司法書士と金融機関に確認する。
- 2026年4月1日から、住所が変わったら2年以内に住所変更登記をすることが義務になった。
全体のスケジュール
中古物件(仲介)では、申し込みから引き渡しまで1〜2か月前後が多く、新築の完成済み物件も契約から1〜2か月程度が一般的です。ただし、これは実務上の目安で、物件や売主の事情によって変わります。まず決済日(引き渡し日)を確認し、そこから逆算して予定を立てましょう。全体の流れは購入の流れ(10ステップ)でも確認できます。
| 時期 | 主にやること |
|---|---|
| 契約後すぐ | ローン本審査の申し込み、書類集め、火災保険と引越しの見積もり、今の住まいの解約予告の確認 |
| 1か月前 | 金銭消費貸借契約(ローン契約)、火災保険の申し込み、引越し業者の決定、住民票を移す時期の相談 |
| 2週間前 | 内覧会・現況確認、電気・ガス・水道・ネットの手続き、決済金額の確認と資金の移動 |
| 前日 | 持ち物の最終確認、振込の段取りの確認 |
| 当日 | 決済・鍵の受け取り、設備と書類の受け取り |
| 入居後 | 転入届、各種の住所変更、住所変更登記の確認、税金の手続き |
契約後すぐにやること
- 住宅ローンの本審査を申し込む:売買契約書に書かれたローン特約の期日(この日までに承認が出なければ白紙解約できる期限)を確認し、逆算してすぐ申し込みます。本審査にかかる日数は金融機関や時期によって違うので、申し込むときに目安を聞き、ローン特約の期日に間に合うか確認しましょう。
- 必要書類をそろえる:住民票、印鑑登録証明書、収入の証明、売買契約書と重要事項説明書の写しなど。住民票や印鑑証明書には「発行から〇か月以内」という期限を求められることが多いので、取る日を金融機関に確認してからにしましょう。
- 新しい借金をしない・転職しない:本審査の途中で車のローンやカードの分割払いを組むと、否決の原因になります。
- 火災保険の見積もりを取り始める:ローンを使う場合、火災保険への加入を求められるのが一般的です。補償の選び方はマンションの火災保険の選び方で解説しています。
- 引越しの見積もりを取り始める:3月〜4月は引越しの繁忙期で、予約が取りにくくなりやすい時期です。日程が決まっていなくても、早めに相談しておくと安心です。
- 今の住まいの解約予告を確認する:賃貸の場合、「退去の1か月前までに連絡」など、契約書で予告期間が決まっています。家賃の二重払いの期間をなるべく短くしましょう。
1か月前にやること
ローン契約(金銭消費貸借契約)
本審査が通ったら、金融機関と金銭消費貸借契約(金消契約)を結びます。日程は金融機関と相談して、決済日より前に行います。ここで金利タイプ、返済期間、融資が実行される日(=決済日)を確定させます。変動金利は、多くの金融機関で「融資が実行される日の金利」が使われます。返済額はローン返済シミュレーターで確かめておきましょう。
- 金消契約の日程を決める(平日の日中が多い)
- 実印・印鑑証明書・本人確認書類を用意する
- 契約書に貼る印紙が必要か確認する(電子契約なら不要な場合があります)
火災保険を申し込む
火災保険は、引き渡しの日から補償が始まるように申し込みます。鍵を受け取った瞬間から、その家のリスクは買主が負うからです。マンションなら「建物(専有部分)」と「家財」を分けて考え、水災をつけるかはハザードマップと住む階で判断します。地震保険は火災保険とセットでしか入れません。
- 補償の開始日を決済日にしたか
- 保険金額(建物・家財)と補償の範囲を確認したか
- 地震保険をつけるか決めたか
- 金融機関から、保険について指定や提出書類があるか確認したか
引越し業者を決める
決済日が決まったら、引越し日を決めて業者を予約します。引越しは決済(鍵の受け取り)が終わってからにするのが基本です。決済が終わるまでは、家はまだ売主のものだからです。
- 複数の業者から見積もりを取ったか
- マンションの場合、管理会社に引越しの届け出や養生(エレベーターの保護)の決まりがないか確認したか
- 大きな家具が搬入できるか(廊下・エレベーターの幅)を確認したか
住民票をいつ移すかを相談する
住民票を新しい住所に移すタイミングは、登記や税金の軽減に関係します。たとえば、登録免許税を軽くするための住宅用家屋証明書は、原則として新しい家に住んでいることが前提です。まだ住民票を移していない場合は、「入居する旨の申立書」などを出して申請する方法があり、世田谷区では入居までの期間は原則2週間以内と案内されています(2026年9月29日確認)。
また、登記を新しい住所で申請すれば、あとで住所変更登記をする必要がなくなります。一方で、金融機関によっては、ローン契約のときの住所について決まりがあることもあります。住民票を先に移すかどうかは、自分で決めずに、登記を担当する司法書士と金融機関の両方に確認してください。
2週間前にやること
内覧会・現況確認
新築は、完成後の内覧会で、キズ・汚れ・建具の動き・設備の不具合を確認し、補修を依頼します。中古は、売主と一緒に、約束した修理が終わっているか、エアコンや給湯器などの状態、残していく物がないかを付帯設備表と照らし合わせます。
- 床・壁・天井・建具のキズ、窓やドアの開け閉め
- 水まわり(水漏れ・排水の流れ)、給湯器・換気扇の動作
- コンセント・照明・インターホン
- 指摘した場所を写真に残し、補修の完了日を書面で確認したか
引き渡しのあとで見つかった不具合は、「もとからの不具合」か「使ってできた傷」かで話がこじれやすくなります。気になる所はこの段階で伝えておきましょう。
ライフライン(電気・ガス・水道・ネット)
- 電気:入居日から使えるよう、電力会社に申し込む
- ガス:開栓には立ち会いが必要なことが多いので、入居日に予約する
- 水道:水道局(市区町村など)に使用開始を連絡する
- インターネット:回線工事に日数がかかることがあるので、早めに申し込む。マンションは建物に入っている回線を管理会社に確認する
- 今の住まい:電気・ガス・水道の停止日を連絡する
- 郵便:郵便局に転居届を出す(旧住所あての郵便を新住所へ転送)
決済金額の確認と資金の準備
- 不動産会社から「精算書」(残代金、固定資産税などの精算金、管理費の精算金、仲介手数料の残り)をもらったか
- 司法書士から、登録免許税と報酬の見積もりをもらったか
- 自己資金を、ローンの融資を受ける口座に移したか
- ネットバンキングや窓口の振込限度額を確認したか
諸費用の全体像は購入諸費用の計算で確認できます。
前日に確認すること
- 決済の場所・集合時間(平日の午前が多い)を確認した
- 当日の持ち物をそろえた(下の表)
- 引越し業者と、ガスの開栓の予約を再確認した
- 当日、仕事を休む手配をした
決済当日の持ち物
当日は、金融機関などに売主・買主・不動産会社・司法書士が集まり、ローンの実行、残代金の支払い、鍵の受け渡しをします。同じ日に司法書士が法務局へ登記を申請します。持ち物は一般的な例です。必ず司法書士・金融機関・不動産会社から届く案内で確認してください。
| 持ち物 | 主な用途 |
|---|---|
| 本人確認書類(運転免許証など) | 司法書士・金融機関の本人確認 |
| 実印 | 登記の委任状など |
| 印鑑登録証明書 | ローン利用時の抵当権設定など(有効期限に注意) |
| 住民票 | 登記用(司法書士の指示による)。2026年10月5日以降の登記では、国籍等の確認のため本籍の記載があるものを求められる場合がある |
| ローン口座の通帳・届出印(またはキャッシュカード) | 残代金や諸費用の振込 |
| 諸費用の資金(振込または現金) | 仲介手数料の残り、司法書士費用、精算金など |
| 認印(念のため) | 受領書などへの押印 |
鍵を受け取ったら、鍵の本数、管理規約や設備の取扱説明書などの書類を受け取ったかも確認しましょう。中古マンションでは、管理組合への届け出(入居の届けなど)が必要かも管理会社に聞いておきます。
入居後にやること
- 転出届・転入届(転居届):別の市区町村へ引っ越すときは、引っ越す前に今の市区町村へ転出届を出し、引っ越した日から14日以内に新しい市区町村へ転入届を出します。同じ市区町村の中で引っ越すときは、14日以内に転居届を出します(住民基本台帳法第22条〜第24条)。マイナンバーカードの住所変更も、転入届・転居届と同じ窓口で行えます。
- 各種の住所変更:運転免許証、銀行、クレジットカード、勤務先、火災保険の契約。
- 住所変更登記:2026年4月1日から、登記に載っている所有者の住所や氏名が変わったら、変わった日から2年以内に変更登記をすることが義務になりました。正当な理由なく怠ると、5万円以下の過料の対象になります。2026年4月より前の変更も、2028年3月末までに登記が必要です(法務省、2026年9月29日確認)。旧住所で登記した場合は、忘れずに手続きしましょう。
- スマート変更登記:法務局に生年月日やメールアドレスなどの「検索用情報」を申し出ておくと、その後の住所変更を法務局が職権で登記してくれる仕組みです(費用はかかりません。登記する前に法務局から確認のメールが届きます)。2025年4月21日からは、家を買って所有権の移転や保存の登記を申請するときに、この検索用情報(氏名・ふりがな・住所・生年月日・メールアドレス)をあわせて申し出ることになっています。さらに2026年10月5日からは「国籍等」も申し出る項目に加わりました(日本人も対象)。日本人の場合は、本籍が記載された住民票の写しや戸籍の附票の写しなどで確認されます。登記を頼む司法書士に、メールアドレスなどを伝えておきましょう。詳しくは用語集のスマート変更登記へ。
- 不動産取得税:入居して数か月後に、都税事務所・県税事務所から納税通知書が届くことがあります。軽減で0円や少額になることも多いですが、資金を残しておきましょう。
- 住宅ローン控除:入居した翌年に確定申告が必要です(会社員は2年目から年末調整で受けられます)。家を取得してから6か月以内に住み始めることなどが条件です。
まとめ
引き渡し前は、「ローン本審査」「火災保険」「引越し」の3つを早めに動かすのがコツです。とくにローン特約の期日と、火災保険の補償開始日(=決済日)は、ずれると困る日付です。住民票をいつ移すかは登記や税の軽減に関わるので、司法書士と金融機関に必ず確認しましょう。入居後は、住所変更登記が義務になったことも忘れずに。
更新履歴(3件)
- 図解を追加
- 写真を追加
- 一次情報で内容を確認し、スマート変更登記の申出、転出届・転居届、ローン審査・契約の日程の説明を修正。2026年10月5日からの国籍等の申出を追記
出典(10件)
- 不動産ジャパン「不動産取引の流れ」https://www.fudousan.or.jp/kiso/buy/1_1.html
- 不動産ジャパン「引渡しまでの注意点」https://www.fudousan.or.jp/kiso/buy/10_1.html
- 法務省「住所等変更登記の義務化特設ページ」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00687.html
- 法務省「スマート変更登記のご利用方法」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00688.html
- 世田谷区「住宅用家屋証明発行について」https://www.city.setagaya.lg.jp/02034/3781.html
- 千葉市「登録免許税の軽減を受けるための住宅用家屋証明書」https://www.city.chiba.jp/zaiseikyoku/zeimu/kazeikanri/juutakuyoukaokusyoumei.html
- e-Gov法令検索「住民基本台帳法」https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000081
- 国税庁 No.1211-1 住宅借入金等特別控除 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm
- 法務省「検索用情報の申出について(職権による住所等変更登記関係)」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00678.html
- 法務省「検索用情報の申出に関するQ&A」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00700.html
印刷元:関東 住まい購入ガイド(https://kanto-sumai.com/article-before-handover-checklist.html)。制度や手続きは変わることがあります。最新の内容はWebページでご確認ください。