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変動金利の利上げで返済額はいくら上がる?借入額別の早見表【2026年9月】
情報の確認日 約11分で読めます公開日 2026年9月29日
制度は変わることがあります。手続きの前に公式情報もご確認ください。
日本銀行が2026年9月18日に政策金利を引き上げました。変動金利で住宅ローンを借りている人、これから借りる人に向けて、金利が上がると毎月の返済額がどれくらい増えるのかを、借入額別の早見表でまとめました。返済額がすぐには変わらない「5年ルール」「125%ルール」の注意点や、今のうちに考えておきたいことも紹介します。
- 日銀は2026年9月18日、政策金利(無担保コールレート)を1.0%程度から1.25%程度に引き上げました(9月24日から適用)。
- 借入4,000万円・35年・当初1.0%の例では、金利が0.25%上がると毎月の返済は約4,700円、1.0%上がると約1万9,600円増えます。
- 変動金利が上がる時期や幅は銀行ごとに違います。5年ルール・125%ルールがある銀行では、返済額がすぐに上がらない代わりに「未払利息」に注意が必要です。
日銀の政策金利はどう動いてきたか
日本銀行(日銀)は、長く続けてきたマイナス金利を2024年3月にやめてから、少しずつ政策金利を引き上げてきました。政策金利とは、銀行どうしが短い期間お金を貸し借りするときの金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)の目標のことです。
| 決定日 | 政策金利(目標) |
|---|---|
| 2024年3月19日 | 0〜0.1%程度(マイナス金利を解除) |
| 2024年7月31日 | 0.25%程度 |
| 2025年1月24日 | 0.5%程度 |
| 2025年12月19日 | 0.75%程度 |
| 2026年6月16日 | 1.0%程度 |
| 2026年9月18日 | 1.25%程度 |
2026年9月の決定は、9人の政策委員のうち賛成7人・反対2人でした。日銀は公表文で、今後も経済や物価の状況に応じて政策金利を引き上げていく考えを示しています。ただし、いつ・どれだけ上げるかは決まっていません。この先の金利を予想することはできないので、この記事では「もし上がったら返済額はいくらになるか」を数字で確かめることに集中します。
政策金利が上がると、変動金利はどう変わる?
変動金利は「基準金利 − 優遇幅」で決まる
多くの銀行の変動金利は、銀行が決める「店頭基準金利」から、審査結果などに応じた「優遇幅(引き下げ幅)」を差し引いた金利です。優遇幅は契約時に決まり、原則として途中で変わりません。そのため、基準金利が上がると、実際に払う金利も同じ幅だけ上がります。
基準金利は「短期プライムレート」と連動することが多い
店頭基準金利は、銀行が優良企業に1年未満でお金を貸すときの金利「短期プライムレート」に連動させている銀行が多くあります。日銀が政策金利を上げると、銀行は短期プライムレートを見直し、それに合わせて住宅ローンの基準金利も上がる、という流れです。ただし、短期プライムレートを使わず独自の基準で決める銀行もあり、上げる時期や幅は銀行ごとに違います。
5年ルールと125%ルール
元利均等返済の変動金利では、次の2つのルールを設けているのが一般的です(住宅金融支援機構・全国銀行協会の解説、2026年9月30日確認)。ただし、下で紹介するようにルールがない銀行もあります。
このルールがあると、急に返済額が増えることは防げます。しかし、払う利息が減るわけではありません。返済額が同じまま金利が上がると、返済額のうち利息に回る分が増え、元金(借りたお金そのもの)の減りが遅くなります。金利が大きく上がると、毎月の返済額では利息を払いきれない「未払利息」が出ることもあります。未払利息や残った元金は、最終返済日にまとめて返済する扱いの銀行があります。精算の方法は金融機関によって違うので、契約内容を確認しておきましょう。
また、5年ルール・125%ルールがない銀行もあります。たとえばソニー銀行は、年2回の金利の見直しのたびに返済額を計算し直す仕組みです(2026年9月29日確認)。この場合、未払利息はたまりにくい一方で、金利が上がると返済額もすぐに増えます。元金均等返済や、同じ銀行でも商品によって扱いが違うことがあるので、契約内容を確認しておくと安心です。
借入額別・金利上昇幅別の早見表
借入額3,000万〜6,000万円について、金利が0.25%・0.5%・1.0%上がった場合の毎月の返済額を計算しました。
- 元利均等返済、返済期間35年(420回)、ボーナス返済なし
- 当初金利は年1.0%(例示)です。実際の金利は銀行や審査結果によって違います。
- 借りた最初から35年間、その金利が続いた場合の金額です。1円未満は四捨五入しています。
| 借入額 | 当初1.0% | +0.25%(1.25%) | +0.5%(1.5%) | +1.0%(2.0%) |
|---|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 84,686円 | 88,226円 (+3,540円) | 91,855円 (+7,169円) | 99,379円 (+14,693円) |
| 4,000万円 | 112,914円 | 117,635円 (+4,721円) | 122,474円 (+9,560円) | 132,505円 (+19,591円) |
| 5,000万円 | 141,143円 | 147,043円 (+5,900円) | 153,092円 (+11,949円) | 165,631円 (+24,488円) |
| 6,000万円 | 169,371円 | 176,452円 (+7,081円) | 183,711円 (+14,340円) | 198,758円 (+29,387円) |
目安として、金利が0.25%上がるごとに、借入1,000万円あたり毎月1,200円前後ずつ返済額が増えると覚えておくとイメージしやすくなります。35年間ずっと金利が1.0%高いままだと、4,000万円の場合の総返済額の差は約823万円になります。
すでに5年返済した人の場合(4,000万円の例)
借りてから数年たった人は、残っている元金が減っているぶん、増え方は上の表より少し小さくなります。4,000万円を当初1.0%・35年で借りて5年(60回)返済すると、残りの元金は約3,511万円です。ここから金利が上がり、残り30年で返済額を計算し直した場合は次のとおりです(5年ルール・125%ルールがない場合の計算です)。
| 6年目からの金利 | 毎月の返済額 | 当初(112,914円)との差 |
|---|---|---|
| 1.25%(+0.25%) | 116,991円 | +4,077円 |
| 1.5%(+0.5%) | 121,157円 | +8,243円 |
| 2.0%(+1.0%) | 129,758円 | +16,844円 |
返済額が増えるのはいつから?
変動金利の見直しは、年2回(たとえば4月1日と10月1日を基準日にする)の銀行が多くありますが、毎月見直すタイプの商品もあります。見直した金利はすぐ毎月の返済額に反映されるとは限りません。たとえば三菱UFJ銀行の年2回型では、4月1日・10月1日を基準に見直した金利が、6月・12月の返済日の翌日から適用されます(2026年9月29日確認)。政策金利が上がってから、実際に口座から引き落とされる額が増えるまでには、時間差があると考えておきましょう。自分のローンがいつ見直されるかは、金銭消費貸借契約書や、銀行から届く金利変更のお知らせで確認できます。
自分の借入額で計算する
自分の借入額・金利・残りの期間で計算したいときは、住宅ローン返済シミュレーターに数字を入れてみてください。金利を0.25%ずつ変えて比べると、家計への影響がつかみやすくなります。
金利が上がる前後に考えておきたいこと
ここからは、判断の材料になる考え方を紹介します。どれを選ぶのがよいかは、収入の見通し、貯蓄、家族の予定によって人それぞれです。
返済計画を見直す
まず、今の金利と残高、次の見直し時期を確認します。そのうえで、金利が0.5%や1.0%上がっても家計が回るかを、上の早見表やシミュレーターで確かめます。教育費や車の買い替えなど、これから大きな出費がある時期と重ならないかも見ておきましょう。
繰上返済を考える
繰上返済をすると元金が減り、その後にかかる利息も減ります。「期間短縮型」は返済期間を短くし、「返済額軽減型」は毎月の返済額を下げます。一方で、手元の現金が減ると、病気や失業など急な出費に対応しにくくなります。生活費の何カ月分を残すかを先に決めておくと、判断しやすくなります。
借り換えを比べる
借り換えは、今のローンを別の銀行のローンで返す方法です。金利が下がることがある反面、事務手数料、保証料、登記費用などの諸費用がかかります(手数料・保証料の違いは銀行ごとの事務手数料・保証料・団信の比較)。「金利差でいくら得をするか」と「諸費用がいくらかかるか」を並べて比べることが大切です。変動から固定への借り換えや、今の銀行で固定期間を選び直す方法もありますが、固定金利も上がっているため、今後の金利次第で有利にも不利にもなります。
銀行に相談する
返済が苦しくなりそうなときは、延滞する前に借りている銀行へ相談しましょう。返済期間の延長など、条件の変更を相談できる場合があります。
これから家を買う人は、「今の金利で借りられる額」ではなく「金利が上がっても返せる額」を基準に予算を考えるのが一つの方法です。購入全体の流れは家・マンション購入の流れ、購入時にかかる税金や手数料は諸費用計算で確認できます。住宅ローン控除を使うと税金が戻る場合もあるので、住宅ローン控除2026の解説もあわせてご覧ください。
まとめ
日銀は2026年9月18日に政策金利を1.25%程度へ引き上げました。変動金利が上がるかどうか、いつ・どれだけ上がるかは銀行ごとに違いますが、借入4,000万円・35年の例では、0.25%の上昇で毎月約4,700円、1.0%の上昇で約1万9,600円返済額が増えます。5年ルール・125%ルールがあっても利息は減らないので、返済額が変わらないうちに計画を見直しておくと安心です。
更新履歴(4件)
- 5年ルール・125%ルールについて、住宅金融支援機構・全国銀行協会の解説で「一般的」であることを確認し、説明と出典を修正
- 見出し(返済額が増えるのはいつから?/自分の借入額で計算する)を追加。金利の見直し時期の説明を早見表の後ろに移動
- 図解を追加
- 一次情報で内容を確認し、未払利息の精算と、5年ルール・125%ルールがない銀行の説明を修正
出典(16件)
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更について(2026年9月18日)」https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260918a.pdf
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更(2026年9月金融政策決定会合)」https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260918b.pdf
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更について(2026年6月16日)」https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260616a.pdf
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更について(2025年12月19日)」https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2025/k251219a.pdf
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更について(2025年1月24日)」https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2025/k250124a.htm
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更および長期国債買入れの減額計画の決定について(2024年7月31日)」https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2024/k240731a.htm
- 日本銀行「金融政策の枠組みの見直しについて(2024年3月19日)」https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2024/k240319a.htm
- 日本銀行「金融市場調節方針に関する公表文 2026年」https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2026/index.htm
- 住宅金融支援機構【フラット35】「金利のタイプとは?」(変動金利型の返済額の見直し)https://www.flat35.com/hajimete/atoz/01.html
- 楽天銀行「5年ルール・125%ルールとは」https://www.rakuten-bank.co.jp/home-loan/terms/5nenrule/
- 三菱UFJ銀行「住宅ローンの5年ルール・125%ルールについて知りたい。」https://faq01.bk.mufg.jp/faq/show/5787?site_domain=default
- 三菱UFJ銀行「変動金利で借入中だが、金利の見直し時期を知りたい。」https://faq01.bk.mufg.jp/faq/show/7736?site_domain=default
- 多摩信用金庫「変動金利型住宅ローンの返済額見直しのルール」https://www.tamashin.jp/personal/loan/shiawase_accrued_interest.html
- 全国銀行協会「変動金利住宅ローンの未払利息とは?」https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-d/7824/
- 横浜銀行「商品概要説明書(住宅ローン 変動金利型)」https://www.boy.co.jp/kojin/jutaku-loan/common/gaiyo_hendo.html
- ソニー銀行「金利変動リスクなどに関する説明書」https://sonybank.jp/products/hl/38.html