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住宅資金贈与の非課税は2026年12月31日期限|最大1,000万円の条件と申告
情報の確認日 約11分で読めます公開日 2026年9月29日
制度は変わることがあります。手続きの前に公式情報もご確認ください。
親や祖父母から家を買うためのお金を援助してもらう人に向けて、「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の仕組みをまとめました。いくらまで非課税になるか、どんな人と住宅が対象か、いつまでに何をすればよいかを、国税庁の情報(2026年4月1日現在の法令)をもとに説明します。
- 父母や祖父母から、家の購入・新築・増改築のためのお金をもらった場合、省エネ等住宅なら1,000万円、それ以外の住宅なら500万円まで贈与税がかかりません。
- 対象は2024年1月1日から2026年12月31日までに受けた贈与です。2027年以降の扱いは、2026年9月29日時点では決まっていません。
- 18歳以上、所得2,000万円以下(床面積40㎡台は1,000万円以下)、床面積40〜240㎡などの条件があります。
- 税金が0円になる場合でも、贈与を受けた翌年の2月1日〜3月15日に贈与税の申告をしないと特例を使えません。
どんな制度?
ふつう、1年間(1月1日〜12月31日)にもらった財産の合計が110万円を超えると、もらった人に贈与税がかかります(暦年課税)。「住宅取得等資金の贈与税の非課税」は、父母や祖父母などの直系尊属から、自分が住む家の購入・新築・増改築などに使うお金をもらったときに、一定の額までを非課税にする特例です。用語集の住宅取得等資金の贈与税の非課税措置もあわせて見てください。
非課税になる金額
| 住宅の種類 | 非課税限度額(贈与を受ける人1人あたり) |
|---|---|
| 省エネ等住宅 | 1,000万円 |
| それ以外の住宅 | 500万円 |
限度額は「贈与を受ける人ごと」です。たとえば父と祖父の両方からもらっても、1,000万円ずつ非課税になるわけではなく、合計で1,000万円までです。すでにこの特例で非課税になった金額がある場合は、その分を引いた残りが限度額になります。
「省エネ等住宅」の基準
1,000万円の枠を使うには、次のどれか1つの基準を満たし、住宅性能証明書などの書類を贈与税の申告書に付けて証明する必要があります。
| 住宅の区分 | 省エネルギー性能 | 耐震性能 | バリアフリー性能 |
|---|---|---|---|
| 新築した住宅・未使用の住宅(新築分譲など) | 断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上 | 耐震等級2以上または免震建築物 | 高齢者等配慮対策等級3以上 |
| 中古住宅・増改築した住宅 | 断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上 |
新築・未使用の住宅でも、2023年12月31日までに建築確認を受けたもの、または2024年6月30日までに建てられたものは、断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上で省エネ等住宅とみなされます(経過措置)。このうち建築確認の日で判定する場合は、確認済証か検査済証の写しも必要です。どの書類がとれるかは、売主や建築会社に早めに確認しましょう。
贈与を受ける人の条件
- 贈与した人の直系卑属(子や孫)であること。配偶者の父母は対象外です(養子縁組をしている場合を除く)。
- 贈与を受けた年の1月1日に18歳以上であること。
- 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること。床面積が40㎡以上50㎡未満の家なら1,000万円以下。
- 2009年分から2023年分の贈与税の申告で、この非課税の特例を使ったことがないこと(一定の場合を除く)。
- 配偶者や親族など特別な関係のある人から家を買ったり、その人に工事を頼んだりしていないこと。
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、もらったお金の全額を使って家の新築・取得・増改築などをすること。自分がその家の所有者(共有を含む)になること。
- 贈与を受けたときに日本国内に住所があること(例外あり)。
- 翌年3月15日までにその家に住むこと、またはその後すぐ住むことが確実なこと。翌年12月31日までに住んでいないと、原則として特例は使えず、修正申告が必要です。
住宅の条件
- 登記簿上の床面積が40㎡以上240㎡以下で、半分以上を自分が住むために使うこと。マンションは専有面積で判断します(登記簿の面積は内法面積なので、広告の壁芯面積より小さくなる点に注意)。
- 中古住宅は、1982年(昭和57年)1月1日以後に建てられたもの、または耐震基準に合うことを書類で証明できるもの。どちらでもない場合は、取得までに耐震改修を申請し、翌年3月15日までに改修を終えて証明する方法があります。
- 増改築は、工事費が100万円以上などの条件があります。
- 土地の購入費も、家の新築や取得とあわせて買う土地であれば対象に含まれます。
なお、家や土地そのものをもらった場合や、今住んでいる家のローン返済のためにお金をもらった場合は、この特例の対象になりません(国税庁の質疑応答)。
2026年12月31日の期限と、いつまでに何をするか
この特例が使えるのは、2026年12月31日までに受けた贈与です。2026年中にお金を受け取った場合の主な期限は次のとおりです。
2026年12月31日まで:贈与を受ける
親などからお金を受け取ります。いつ、誰から、いくらもらったかが分かるように、銀行振込にして記録を残しておくと安心です。
2027年3月15日まで:家の取得・入居
もらったお金の全額を使って家を買う(建てる)こと、そして入居すること(またはその後すぐ入居することが確実なこと)が必要です。建売住宅や分譲マンション、中古住宅を買う場合は、3月15日までに引渡しを受けている必要があります。注文住宅を建てる場合は、3月15日の時点で屋根(骨組みを含む)ができている状態なら認められます。入居が2027年12月31日を過ぎると、原則として特例は使えません。
2027年2月1日〜3月15日:贈与税の申告
非課税の特例を使う旨を書いた贈与税の申告書に、戸籍の謄本や売買契約書・工事請負契約書の写しなどを付けて税務署に出します。非課税の範囲内で税金が0円でも、申告しなければ特例は使えません。
年末に向けては、「お金を受け取る日」と「契約・引渡しの日程」の両方を確認しておくことが大切です。家の購入の段取りは家・マンション購入の流れで確認できます。
申告に必要な書類
国税庁の「令和7年分」の申告の手引き(2025年中の贈与を、2026年に申告する人向け)では、家を買った(建てた)人が非課税の特例を使うときに、次の書類を申告書に付けるよう案内しています。
- 戸籍の謄本など:もらった人の氏名・生年月日と、あげた人が父母・祖父母など(直系尊属)であることがわかるもの。
- その年の合計所得金額がわかる書類:源泉徴収票など。同じ年の所得税の確定申告書を出した人は、申告書の決まった欄に印を付ければ、別に出す必要はありません。
- 売買契約書や工事請負契約書の写しなど:誰から買ったか(誰に建ててもらったか)がわかるもの。
- 家の登記事項証明書:申告書に不動産番号を書くなどすれば、原本を付けなくてよいとされています。お金を土地の購入にも使ったときは、土地の登記事項証明書も必要です。
- 省エネ等住宅(1,000万円の枠)を使う場合:住宅性能証明書、建設住宅性能評価書の写し、住宅省エネルギー性能証明書などのうち、いずれか。中古住宅では、証明のための調査をした時期に決まりがあります。
- 1982年より前に建てられた中古住宅の場合:耐震基準適合証明書など、耐震基準に合うことの証明。
- 翌年3月15日までに住んでいない場合:すぐに住めない事情と住む予定の時期を書いた書類、遅れずに住むことを約束する書類。
注文住宅で、翌年3月15日の時点で工事が終わっていない場合などは、必要な書類が変わります。2026年中に受けた贈与を2027年に申告するときの書類は、国税庁が公表する「令和8年分」の手引きで確かめてください。わからないときは、税務署や税理士に相談しましょう。
暦年課税・相続時精算課税との関係(概要)
非課税の特例で非課税にならなかった分は、通常の贈与税のルールで計算されます。ルールは次の2つから選びます。ここでは概要だけを紹介します。
- 暦年課税:1年間にもらった額から基礎控除110万円を引いた残りに贈与税がかかります。
- 相続時精算課税:原則として60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で選べる制度です。年110万円の基礎控除と、累計2,500万円までの特別控除があり、超えた分は一律20%。贈与した人が亡くなったときは、もらった財産(2024年以降の贈与は、年110万円の基礎控除分を差し引いた額)を相続財産に加えて相続税を計算します。一度選ぶと、その人からの贈与は暦年課税に戻せません。
住宅取得等資金については、2026年12月31日までの贈与であれば、贈与する人が60歳未満でも相続時精算課税を選べる特例があります(非課税の特例もあわせて使う場合は、非課税の枠を超えた分があるときに限ります)。また、非課税の特例で非課税になった金額は、贈与した人が亡くなったときの相続税の計算に加える必要はありません。
どちらを選ぶと得かは、家族の財産の状況や相続の見通しによって大きく変わります。税理士や税務署に相談して決めてください。
住宅ローン控除への影響
贈与の特例を使った場合、住宅ローン控除の計算に使う「住宅の取得対価」から、特例を受けた贈与の額を差し引きます(国税庁 No.1211-1・No.1211-3)。たとえば親の援助でローンを減らす場合、ローン残高と取得対価のどちらか少ないほうが控除の基準になるため、借入額によっては控除額が変わります。詳しくは住宅ローン控除2026の記事を参照してください。援助を受けた後の借入額と返済額はローン計算で、購入時にかかる費用は諸費用の計算で確認できます。
2027年以降はどうなる?
2026年9月29日時点で分かっているのは、次のことだけです。
- 現行の特例は、2026年12月31日までの贈与が対象です(国税庁・国土交通省)。
- 国土交通省は、2026年8月28日に公表した「令和9年度税制改正要望」で、この非課税措置などについて「必要な検討を行い、所要の措置を講じる」ことを求めています。
要望はあくまで国交省からの要望で、延長されるかどうか、金額や条件が変わるかどうかは、この先の税制改正で決まります。「2027年も使えるだろう」と考えて贈与を翌年に回すのはリスクがあります。決まり次第、この記事を更新します。
まとめ
親や祖父母からの住宅資金の援助は、2026年12月31日までの贈与なら、省エネ等住宅で1,000万円、それ以外で500万円まで非課税になります。使うには、年齢・所得・床面積などの条件を満たし、翌年3月15日までに家を取得して住み、翌年2月1日〜3月15日に申告することが必要です。性能を証明する書類がとれるか、入居が間に合うかを、年内に売主・建築会社と確認しておきましょう。
更新履歴(3件)
- 見出し(申告に必要な書類)を追加
- 図解を追加
- 一次情報で内容を確認し、建売住宅・分譲マンションの引き渡し期限と、相続時精算課税の説明を修正
出典(11件)
- 国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm
- 国税庁 No.4508 質疑応答(Q1〜Q6)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508_qa.htm
- 国税庁 No.4503 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4503.htm
- 国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm
- 国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm
- 国税庁 No.1211-1 住宅借入金等特別控除 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm
- 国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000018.html
- 国土交通省「令和9年度税制改正」(令和9年度国土交通省税制改正要望事項、2026年8月28日公表)https://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_010944.html
- 財務省「令和9年度税制改正要望(国土交通省)住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等に係る所要の措置」https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2027/request/mlit/09y_mlit_k_25.pdf
- 国税庁「『住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税』等のあらまし」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0024005-031_01.pdf
- 国税庁 No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-3.htm