住宅ローン控除2年目からは年末調整で:勤務先に出す書類と書き方、なくしたときの再交付
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10月下旬ごろ入居2年目の控除証明書(書面・証明書方式)が税務署から届く目安
住宅ローン控除は、ローンで家を買った人の税金が、毎年いくらか戻る(または減る)仕組みです。会社員なら、確定申告が要るのは1年目だけです。2年目からは、会社の年末調整(会社が1年分の税金を計算し直す手続き)で受けられます。この記事では、1年目の確定申告を済ませた会社員が、2年目に何をすればよいかを書きます(2026年10月7日時点)。
- あなたが会社員で、1年目の確定申告を済ませたなら、2年目からは税務署から届く用紙に書いて、会社に出すだけです。
- 2年目の秋に届く封筒には、3年目以降の分の用紙も入っています。毎年は届かないので、捨てずにしまっておいてください。
- あなたが用紙をなくしても、税務署に頼めばもう一度もらえます。会社の締め切りに間に合わなくても、控除を受ける方法があります。
制度は変わることがあります。手続きの前に公式情報もご確認ください。
2年目からは、いつ何をする?
2年目からは、確定申告が要りません。
会社に書類を出すだけで、住宅ローン控除(正式には「住宅借入金等特別控除」)を受けられます。2025年に住みはじめて、2026年の春に確定申告を済ませた会社員なら、次のように進みます。住みはじめた年がちがっても、流れは同じです。
10月〜11月ごろ:書類が届く
この例では、2026年の秋が2年目です。税務署から「控除証明書」という用紙が届きます。借りた銀行などによっては、ローンの残高を書いた証明書も届きます(次の節)。
勤務先の締め切りまで:書いて出す
届いた用紙に書きこみ、会社に出します。締め切りは、会社の担当の人にたしかめましょう。
3年目から:しまっておいた用紙を使う
控除は続きます。ただ、紙で受け取る人には、用紙は毎年は届きません。2年目に届いた封筒から、その年の分を出して使います。
年の途中で転職しても、年末に新しい会社にいれば、そこで年末調整を受けられます。
次の人は年末調整を受けられないので、確定申告をします(国税庁 No.2665・No.1211-1)。
- 年の途中で会社をやめて、年末に勤め先がない人(一部の例外を除く)。
- その年の給料の合計が2,000万円をこえる人。
届く書類と、勤務先に出すものは?
出すものは、ローンを借りた銀行などのやり方で変わります。
やり方は「証明書方式」と「調書方式」の2つです。調書方式は、銀行などが税務署にローンの残高を知らせるやり方です。
| 方式 | 勤務先に出すもの | 紙の控除証明書が届く時期 |
|---|---|---|
| 証明書方式 | ①控除証明書(税務署から届く。記入したもの)②年末残高等証明書(借りた銀行などから届く。借入先が2つ以上なら全部) | 入居2年目の10月下旬ごろ |
| 調書方式 | ①控除証明書(税務署から届く。記入したもの)だけ | 入居2年目の11月下旬ごろ |
自分がどちらか分からなければ、借りた銀行などに聞くのが確実です。税務署から届いた用紙に年末の残高が印刷されていれば、原則として調書方式です。
控除証明書の正式な名前は「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書兼申告書」です。税務署の証明と、あなたが書く申告書が1枚になった用紙です。
年末残高等証明書は、年末のローン残高を書いた証明書です。証明書方式の人に、借りた銀行などから毎年11月下旬ごろに届きます。調書方式の人には届かず、出す必要もありません。
紙の用紙は、2年目に残りの年の分がまとめて届きます。届く時期は、最初の確定申告を出した日などで変わることがあります。11月下旬をすぎても届かないときは、控除証明書は税務署に、年末残高等証明書は借りた銀行などに問い合わせましょう。
くわしく知りたい人へ:電子で受け取るには
e-Tax(国税庁のインターネットの申告の仕組み)で受け取ることもできます。電子なら、控除証明書は毎年届きます。証明書方式は毎年10月ごろ、調書方式は毎年11月中旬ごろです。
1年目にe-Taxで申告して電子を選んだ人は、何もしなくても届きます。それ以外の人は、e-Taxで「電子交付への一括同意」をします。国税庁のFAQは、受け取りたい年分の「おおよそ10月末まで」に済ませるよう案内しています(目安)。
e-Taxで受け取った控除証明書は、マイナポータル連携(国のサイトを通してデータを取り込む仕組み)で、申告書に自動で入力できます。前もって準備が要り、データを取れるまで数日かかることがあります。会社が電子の書類を受け付けるかは、先に担当の人に聞きましょう。
控除証明書はどう書く?
国税庁の記載例(書き方の見本)を横に置いて、上から順に書きます。
あなたが書くのは、用紙の上の段(申告書の部分)です。下の段には、1年目の確定申告の内容(家の取得価格など)が印刷されています。上の段を、次の順に書きます。
勤務先と自分の情報
会社の名前・所在地と、自分の名前・住所を書きます。会社の書き方は、担当の人に聞けば分かります。
年末残高
証明書方式なら、年末残高等証明書の額を書き写します。
調書方式なら、用紙に印刷された額をたしかめます。ただし、紙でまとめて届いた場合、額が印刷されているのは2年目の分だけです。3年目からは、銀行などの返済予定表で年末(12月末)の残高をたしかめて書きます。
繰上返済(予定より早く一部を返すこと)をして、印刷の額と実際の残高が違うときは、実際の残高を使います。
1年の所得の見積もり
その年の合計所得金額の見積もりを書きます。給料だけの人なら、給料から給与所得控除(会社員の経費とみなして、決まった額を引くもの)を引いた額です。去年と給料が大きく変わらなければ、去年の源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」が目安になります。
控除額の計算
年末残高と家の取得価格の少ないほうに、住まいとして使う割合をかけます。2022年以降に住みはじめた人は、それに0.7%をかけます(100円未満は切り捨て)。
ただし、用紙に書かれた上限額までです。上限額は、住みはじめた年や家の種類で、人によってちがいます。
調書方式の人は、「備考」欄に「調書方式に対応する金融機関からの借入れ」などと書きます。ペアローン(2人でそれぞれローンを組む形)などで自分の分だけを書く人は、記載例の計算に沿います。
- 家をすべて住まいに使っている(割合100%)。家の取得価格は3,000万円。
- 年末残高は2,650万円。控除証明書に書かれた上限額は14万円。
少ないほうの2,650万円を使います。2,650万円 × 100% × 0.7% = 18万5,500円です。上限の14万円をこえるので、控除額は14万円です。
控除額の14万円が、そのままふりこまれるわけではありません。控除額は、払う税金から引く額です。
- まず、その年の所得税から引きます。年末調整で、払いすぎた所得税が戻ります。
- 所得税より控除額が多いときは、残りを次の年度の住民税から引きます。住民税は戻るのではなく、払う額が減ります。市区町村への申告は要りません(総務省)。
住民税から引ける額には上限があり、最高97,500円です(正確には、前の年の分の所得税の課税総所得金額等の5%まで)。
控除を受けられない年は?
多くの会社員には当てはまりませんが、次のどれかの年は控除を受けられません(2022年以降に住みはじめた人の場合)。
- 転勤などで、その年の12月31日に住んでいない。
- その年の合計所得金額(上の手順3の額。給料の額とはちがいます)が2,000万円をこえる。床面積が40㎡以上50㎡未満の家は、1,000万円をこえる。
- 住みはじめた年の次の年から3年以内に、前の家を売り、税金を減らす特例(「3,000万円の特別控除」など)を受けた。前の家を売っていない人には関係ありません。
転勤で家をはなれる人は、戻ったときにまた控除を受けるため、はなれる日までに税務署への手続きが要ります。
なくした・間に合わないときは?
控除証明書をなくしたら、税務署で再交付(もう一度出してもらうこと)を受けられます。
住所地の税務署に、交付申請書を出します。e-Taxでも、持参や郵送でも出せます。送られるのは、申請した後の年末調整の分です(国税庁の表現は「交付申請手続をした後の年分」)。今年の年末調整に使うなら、会社の締め切りに間に合うよう、気づいたらすぐ申請しましょう。代わりの人が窓口で出すときは委任状が要ります。
書類が会社の締め切りに間に合わないときは、次のどちらかで控除を受けられます(国税庁)。
- 次の年の1月31日までに会社に出し、年末調整の計算をやり直してもらう。
- 確定申告をする。このときは、控除証明書の上の段を「計算明細書」として使い、年末残高等証明書を付けます。
わからないときはどこに聞く?
- 会社の年末調整の担当の人:締め切り、出し方、電子で出せるか。
- 国税庁の電話相談センター:0570-00-5901 にかけ、音声案内で「2 源泉徴収、年末調整、支払調書」を選びます。相談は無料ですが、通話料がかかります(携帯電話から3分132円など)。
- 税務署:再交付の申請、自分の書類の確認。受付は原則9時〜15時です(2026年10月1日から)。会って相談するには電話の予約が要ります。
1年目の申告や制度の全体は、住宅ローン控除2026で読めます。住宅ローン控除シミュレーションは、これから住みはじめる人(2026〜2030年入居)の試算用です。
更新履歴(1件)
- 知識のない人にも分かるよう、文を短くし、言葉の言い換えと具体例を足した(数字・条件は変更なし)(冒頭の3行でわかる結論、いつ何をするかの流れ、控除額の計算の例を追加。長さの目安に合わせ、電子で受け取る方法を折りたたみに、節を10から7にまとめた)
出典(14件)
- 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」(令和8年4月1日現在法令等)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm
- 国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」(令和8年4月1日現在法令等)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2665.htm
- 国税庁「年末調整がよくわかるページ(令和8年分)」給与所得者(従業員)の方へ https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index/kyuyosyotokusya.htm
- 国税庁「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書兼住宅借入金等特別控除計算明細書の記載例」(令和8年分)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2026/pdf/308.pdf
- 国税庁「年末調整で住宅借入金等特別控除の適用を受ける方へ」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/jukari/index.htm
- 国税庁「年末調整で住宅借入金等特別控除を受ける方へ(令和6年居住者用)」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/jukari/nencho-jukari.pdf
- 国税庁「住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)について」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/index.htm
- 国税庁「(調書方式に対応した金融機関から借入れをされた方へ)年末調整のための住宅ローン控除証明書の交付時期について」(令和8年9月)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/pdf/05.pdf
- 国税庁「住宅取得資金に係る借入金等の年末残高等情報のマイナポータル連携に関するFAQ」(令和8年9月17日更新)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/pdf/0024012-098.pdf
- 国税庁 質疑応答事例「年末残高等証明書が年末調整に間に合わない場合」https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/06/24.htm
- 国税庁「A1-39 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請手続」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/36.htm
- 国税庁「マイナポータル連携特設ページ」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/mynapo.htm
- 国税庁「国税に関するご相談について(チャットボット・タックスアンサー・電話相談)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/index.htm
- 総務省「個人住民税の住宅ローン控除」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/090929.html