賃貸と購入、どっちが得?関東の家賃データと中古マンション相場で、毎月の支払いと35年の合計を比べる
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2,565円東京都の民営借家の1㎡あたり家賃(月、2023年)
賃貸と購入、どちらが得でしょうか。1つの答えはありません。金利、家賃の上がり方、住む年数、家のこれからの値打ちで入れかわるからです。この記事は、賃貸のまま待つか迷っている人に向けたものです。国の家賃の統計と、当サイトの中古マンションの相場を使いました。関東の7つの市区で、同じ60㎡に住む場合の毎月の支払いを比べています。計算に入っていないお金も一覧にしています(2026年10月7日確認)。
- あなたが年1.0%ほどの低い金利で借りられるとします。地域によっては、買っても借りても毎月の支払いが近くなります。金利が高いと、買うほうが多くなります。
- あなたが長く住むつもりなら、買うとローンを返し終えた後に家が残ります。借りると、家賃を払い続けます。35年の合計は、家賃の上がり方で、どちらが多いかが入れかわります。
- あなたが迷っているなら、今の家賃と同じ返済でローンをいくら借りられるかを出し、住みたい地域の相場と比べてみましょう。
制度は変わることがあります。手続きの前に公式情報もご確認ください。
関東の家賃はいくら?都県別の平均(総務省の統計)
まず、家賃の平均です。総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」から、関東7都県の民営借家(会社や個人が貸している家)の家賃を並べました。2023年10月1日時点で、今住んでいる人が払っている家賃です。新しく借りるときの家賃(募集家賃)ではなく、古い建物や、昔からの契約もふくみます。
| 都県 | 1か月当たり家賃 | 延べ面積1㎡当たり家賃 |
|---|---|---|
| 東京都 | 94,802円 | 2,565円 |
| 神奈川県 | 76,356円 | 1,868円 |
| 埼玉県 | 65,848円 | 1,528円 |
| 千葉県 | 65,813円 | 1,534円 |
| 茨城県 | 52,598円 | 1,130円 |
| 栃木県 | 51,179円 | 1,106円 |
| 群馬県 | 49,447円 | 1,055円 |
| (全国) | 65,496円 | 1,509円 |
どちらも、家賃0円の家をふくまない平均です。共益費・管理費もふくみません。同じ表で、共益費・管理費を払っている借家の平均は、関東7都県で月3,761円(茨城県)〜6,315円(東京都)でした。
1か月あたりの家賃は、部屋の広さのちがいも表れます。同じ広さで比べるときは、1㎡あたりの家賃(表の「延べ面積1㎡当たり」。延べ面積は床の広さの合計)を使います。東京都は2,565円で、群馬県(1,055円)の2倍以上です。
家賃は上がっている?
総務省の消費者物価指数は、ものの値段の動きを表す数です。これによると、東京都区部の民営家賃は、2026年9月(中旬速報値。月の途中で出る早めの値)に前の年の同じ月より2.2%上がりました。また、全国の借家の1か月あたり家賃は、2023年に2018年より7.1%増えています。ただし、どちらも過去の動きです。これから同じ率で上がるとは限りません。
同じ60㎡で比べる:7市区の毎月の支払い
関東の各都県から、1つずつ市区を選びました。同じ60㎡の住まいを、借りた場合と、中古マンションを買った場合の毎月の支払いです。前提は次のとおりです。
- 家賃:その市区の民営借家の1㎡あたり家賃(2023年)×60㎡です。共益費はふくみません。木造のアパートなどもふくむ平均なので、中古マンションを借りる家賃と同じではありません。全国では、非木造68,548円・木造54,409円です(統計局「結果の概要」)。
- 家の値段:中古マンションの1㎡あたり価格の中央値(真ん中の値)×60㎡です。当サイトの市区町村別の相場の値です(国交省の取引価格情報、2025年4〜6月期〜2026年1〜3月期)。
- ローン:家の値段の全額を、35年で借ります(頭金なし)。毎月の返済額が同じになる返し方(元利均等返済)で、式は住宅ローン計算と同じです。
- 金利:2通りです。年1.0%は計算のための低めの例です。自分の金利は銀行などの審査で決まるので、両方で見てください。年3.94%は、フラット35の2026年10月の最頻金利(いちばん多い金利)です。
- フラット35とは:金利が最後まで変わらない、国の機関と銀行のローンです。この記事では頭金なしで全額を借りるので、「融資率(家の値段のうち借りる割合)9割超」の金利です。団信(借りた人が亡くなったときなどにローンの残りを払う保険)の費用もふくみます(新機構団信付き)。頭金を1割以上入れて融資率9割以下なら、年3.83%です。
- 管理費・修繕積立金:マンションで毎月払うお金です。国交省「令和5年度マンション総合調査」の全国平均(1戸あたり月額)を使いました。管理費11,503円+修繕積立金13,054円=24,557円です。
| 市区 | 家賃(60㎡) | 物件価格(60㎡) | 購入:年1.0% | 購入:年3.94% |
|---|---|---|---|---|
| 東京都世田谷区 | 約16.0万円 | 約6,900万円 | 約21.9万円 | 約32.8万円 |
| 横浜市港北区 | 約13.5万円 | 約4,431万円 | 約15.0万円 | 約21.9万円 |
| さいたま市浦和区 | 約12.3万円 | 約4,971万円 | 約16.5万円 | 約24.3万円 |
| 千葉県船橋市 | 約11.0万円 | 約2,368万円 | 約9.1万円 | 約12.9万円 |
| 茨城県つくば市 | 約8.3万円 | 約3,188万円 | 約11.5万円 | 約16.5万円 |
| 栃木県宇都宮市 | 約7.5万円 | 約1,649万円 | 約7.1万円 | 約9.7万円 |
| 群馬県高崎市 | 約7.0万円 | 約2,123万円 | 約8.4万円 | 約11.8万円 |
表の「購入」の列は、ローンの返済に、管理費・修繕積立金を足した毎月の額です。家賃には共益費を入れていないので、借りるほうが少し安めに出ています。
たとえば横浜市港北区です。家賃は、1㎡あたり2,251円×60㎡で約13.5万円です。家の値段は、1㎡あたり約73.8万円×60㎡で約4,431万円です。その返済は、年1.0%で月約12.5万円、年3.94%で月約19.5万円です。管理費・修繕積立金を足すと、表の約15.0万円・約21.9万円になります。
この前提では、年1.0%なら、船橋市と宇都宮市は買うほうが毎月の支払いが少なくなりました。ほかの5市区は、買うほうが多くなりました。年3.94%では、7市区すべてで買うほうが多くなりました。なお、売れた中古マンションの築年数の真ん中の値は13〜31年で、市区によって古さもちがいます。
35年の合計で見ると?家賃の上がり方で逆転する
毎月の額だけでは、くらべきれません。横浜市港北区の例で、35年間に払う合計を比べます。
| 場合 | 35年間の合計 |
|---|---|
| 賃貸:家賃が変わらない | 約5,673万円 |
| 賃貸:家賃が毎年1%上がる | 約6,752万円 |
| 賃貸:家賃が毎年2.2%上がる | 約8,412万円 |
| 購入:年1.0%(返済+管理費・修繕積立金) | 約6,285万円 |
| 購入:年3.94%(同上) | 約9,204万円 |
2.2%は、上で見た東京都区部の1年の上がり方を、35年ずっと当てはめた例です。これから先の予想ではありません。家賃が毎年2.2%上がり続けると、35年目の家賃は月約28.3万円になります。
この比べ方で大事なのは、次の2点です。
- 買った場合、35年後に家が残ります。ただし、返し終えた後も、管理費・修繕積立金と固定資産税は払い続けます。古くなった家がいくらで売れるかは分かりません。売るときには、仲介手数料などもかかります。
- 借りた場合、35年後も家賃を払い続けます。一方で、試算の外ですが、頭金や諸費用に使うはずだったお金が手元に残ります。住み替えも自由です。
つまり、「どちらが得か」は4つで変わります。金利、家賃の上がり方、住む年数、家のこれからの値打ちです。このうち、これから先の家賃と家の値打ちは、だれにも分かりません。
試算に入っていないお金
上の計算は、くらべやすくするため、次のお金を入れていません。実際に比べるときは、自分の数字を足してください。
| 入れていないもの | どちらに関係するか | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 頭金・購入の諸費用(登記・仲介手数料・ローンの手数料など) | 購入 | 諸費用シミュレーション |
| 固定資産税・都市計画税、火災保険 | 購入 | 物件の固定資産税の額を売主・不動産会社に確認 |
| 修繕積立金の値上がり | 購入 | 修繕積立金の値上げを確認する方法 |
| 住宅ローン控除(税金が戻る) | 購入 | 住宅ローン控除の計算 |
| 家を売るときの価格と費用 | 購入 | 自宅売却の流れ |
| 更新料・引越し・部屋を借りるときの費用 | 賃貸 | 今の賃貸契約書 |
| 共益費 | 賃貸 | 今の賃貸契約書 |
また、変動金利(あとで金利が変わるローン)で借りた場合は、金利が上がると返済額も増えます。上がったときの返済額は、変動金利の利上げ、返済額はいくら上がる?でたしかめられます。
賃貸のまま待つか迷ったときの考え方
当サイトは「今買うべき」「賃貸のままがよい」とは決めません。迷ったときは、次の順番で自分の数字をたしかめましょう。考える材料がそろいます。
今の家賃で借りられる額を知る
住宅ローン計算で、今の家賃と同じ毎月の返済額から、借りられる額を逆に計算します。管理費・修繕積立金・固定資産税(家にかかる毎年の税金)の分を、家賃から引いて考えます。
無理なく返せる額と比べる
年収から見た目安は住宅ローンは年収でいくらまで?、手元に残すお金は頭金はいくら入れる?でたしかめます。
住みたい地域の相場と比べる
予算で選べる地域と広さを、関東の相場(市区町村別)や年収・予算と市区町村の相場を比べるでたしかめます。
何年住むかを考える
転勤や家族の変化で、早めに住み替えるかもしれない人ほど、買うときと売るときのお金が重くなります。
例:今、家賃13.5万円の部屋に住んでいるなら
手順1を、横浜市港北区の60㎡の家賃(約13.5万円)で試してみます。
- 家賃から、管理費・修繕積立金の24,557円を引きます。のこりは約11.0万円です。
- 毎月約11.0万円を35年返すとします。借りられる額は、年1.0%で約3,912万円、年3.94%で約2,515万円です(当サイトの計算)。
- 港北区の60㎡の値段の目安(約4,431万円)と比べると、どちらの金利でも届きません。足りないのは、年1.0%で約519万円、年3.94%で約1,916万円です。頭金で出すか、もっと安い地域・せまい部屋で考えることになります。このほかに、諸費用も別にかかります。
この例では、固定資産税を引いていません。入れると、借りられる額はもう少し小さくなります。
更新履歴(1件)
- 知識のない人にも分かるよう、文を短くし、言葉の言い換えと具体例を足した(数字・条件は変更なし)(冒頭の3行でわかる結論、今の家賃13.5万円からローンで借りられる額と足りない額を出す例を追加。表の「購入」の列の中身、融資率・団信、35年後も払うお金の説明を足した)
出典(6件)
- 総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」第112-2表・第122-2表・第122-4表(政府統計の総合窓口 e-Stat)https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tclass=000001207743&cycle=0 。「『令和5年住宅・土地統計調査』(総務省)を加工して作成」
- 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdf
- 総務省統計局「消費者物価指数 東京都区部 2026年9月分(中旬速報値)」https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-t.html
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」(不動産取引価格情報。当サイトで集計)https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
- 住宅金融支援機構【フラット35】「金利情報」(2026年10月の最頻金利、融資率9割以下・9割超)https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/kinri/index.php/rates/top
- 国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果〔概要編〕」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001750161.pdf