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50代・60代からの住宅購入:完済年齢、現金かローンか、リ・バース60、老後の住み替え先

制度は変わることがあります。手続きの前に公式情報もご確認ください。

50代・60代で家を買う人の多くは、「老後を安心して暮らせる家」を求めています。一方で、ローンを何歳まで返すのか、退職金や年金とどう組み合わせるのかは、若い世代より慎重に考える必要があります。この記事では、公的な情報で確かめた年齢の条件と、60歳から使えるローンの仕組み、住み替え先の選び方を整理します。

この記事のポイント
  • 完済の年齢:フラット35は申し込むときに70歳未満で、80歳までに返し終える期間で借ります(2026年9月29日確認)。定年後も返済が続くなら、年金だけで払えるか、退職金をいくら返済にあてるかを先に決めておきます。
  • 現金かローンか:全額を現金で払うと利息はかかりませんが、手元のお金が減ります。医療・介護・修繕のためのお金を残せるかで考えます。ローンを使う場合、住宅ローン控除には「10年以上かけて返す」などの条件があります。戻る額の目安は住宅ローン控除シミュレーションで計算できます。
  • 使える制度:60歳以上向けの「リ・バース60」(毎月は利息だけを払い、元金は亡くなったときに返す)、子と2代で返す「親子リレー返済」、親からの資金援助の非課税の特例などがあります。

住宅ローンは何歳まで借りられる?

住宅ローンには、申し込むときの年齢と、返し終えるときの年齢に上限があります。基準がはっきり公開されている例として、フラット35の条件を見てみましょう(住宅金融支援機構の公式ページで2026年9月29日に確認)。

申し込む年齢ごとに、借りられる最長の期間を計算すると次のようになります。

申し込むときの年齢最長の借入期間返し終える年齢
50歳30年80歳
55歳25年80歳
60歳20年80歳
65歳15年80歳
69歳11年80歳

※フラット35の「80歳 − 申込時の年齢」で当サイトが計算した例です(誕生日ちょうどに申し込む場合)。フラット35の親子リレー返済の説明では、年齢の1歳未満の端数を切り上げた計算例が示されています。実際の期間は金融機関で確認してください。出典:住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」(2026年9月29日確認)。

フラット35で借りられる最長の期間。50歳で申し込むと最長30年、55歳で25年、60歳で20年、65歳で15年、69歳で11年。どの年齢でも80歳までに返し終える計算。 ▼ 80歳までに返し終える 50歳で申し込み:最長30年 55歳で申し込み:最長25年 60歳で申し込み:最長20年 65歳で申し込み:最長15年 69歳で申し込み:最長11年 50歳60歳70歳80歳
フラット35の「80歳 − 申込時の年齢」(35年が上限)で計算した、申込み年齢ごとの最長の借入期間です。棒の左端が申込み年齢、右端が返し終える年齢で、横軸は年齢に比例させています。色の付いた線は、返し終える年齢の上限(80歳)です。実際の期間は金融機関で確認してください。出典:本文の表(住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」)

民間の金融機関の住宅ローンにも年齢の条件がありますが、上限の年齢や、完済時の年齢の考え方は金融機関ごとに違います。同じ条件で複数の金融機関に確認すると違いがわかります。

「借りられる」と「返せる」は別に考える

たとえば55歳で25年のローンを組むと、65歳で仕事を辞めたとしても、その後15年間は年金などで返し続けることになります。審査に通ることと、老後の家計で無理なく返せることは別の話です。

年収から見た予算の目安や、家計から「毎月返せる額」を逆算する手順は、住宅ローンはいくらまで?年収別・無理なく返せる予算の早見表で説明しています。この記事では、年齢に関係する点だけを扱います。

子と2代で返す「親子リレー返済」

フラット35には、親と子の2代で返していく「親子リレー返済」があります。後継者(あとを継いで返す人)は、次の3つをすべて満たす必要があります(2026年9月29日確認)。

借りる期間は、親の年齢ではなく後継者の年齢をもとに決めます。期間を長くできる一方で、子どもが自分の家を買うときのローンの審査に影響することも考えられます。家族でよく話し合ってから決めましょう。

現金で買うか、ローンを使うか

家を売ったお金や退職金があって、現金で買える人もいます。どちらがよいかは人によって違います。ここでは考え方の材料を並べます。

現金で買うローンを使う
利息かからないかかる(金利が上がると増える商品もある)
手元のお金大きく減る残しやすい
毎月の支払いローンの返済はない返済が続く(年金生活に入っても)
住宅ローン控除使えない(ローンがないため)条件を満たせば使える
万一のとき家は残る団信に入っていれば残りのローンが返される

手元に残しておきたいお金

現金で買う場合も、ローンを使う場合も、家とは別に次のようなお金を残せるかを確かめます。

お金をどう運用するか、いくら残すのがよいかは、家族の状況や資産によって大きく違います。この記事では個別の判断はできません。必要に応じて、ファイナンシャルプランナーや金融機関に相談してください。

住宅ローン控除の条件(年齢に関係するところ)

住宅ローン控除は、年末のローン残高に応じて税金が戻る制度です。国税庁の説明(令和8年4月1日現在の法令による。2026年9月29日確認)では、次のような条件があります。

50・60代で特に気をつけたいのは、繰上返済との関係です。国税庁の説明では、繰上返済によって借入期間が10年未満になると、その年以降は控除を受けられません(国税庁 No.1225、2026年9月29日確認)。退職金で早めに返す予定がある人は、控除がどうなるかも合わせて考えましょう。

また、控除は払った税金から戻る仕組みなので、年金生活で納める税金が少ないと、戻る額も小さくなります。床面積や住宅の省エネ性能など、ほかの条件は住宅ローン控除2026の解説にまとめています。

今の家を売って買い替える場合の注意

自宅を売って利益が出たときは、条件を満たせば利益から最高3,000万円を差し引ける特例があります(国税庁 No.3302、令和8年4月1日現在の法令による)。ただし、この特例と住宅ローン控除は同時には使えない期間があります。国税庁の説明では、新しい家に住み始めた年・その前年・前々年に、この特例を使っていると、住宅ローン控除は受けられません。住み始めた年の翌年から3年目までに、この特例を使う売却をした場合も同じです(2026年9月29日確認)。売る時期と買う時期が近い人は、税務署か税理士に確認してから進めましょう。

団信(団体信用生命保険)の年齢

団体信用生命保険(団信)は、借りた人が亡くなったときなどに、残りのローンが返される保険です。フラット35の新機構団信は、申込書を書く日に満15歳以上満70歳未満の人が入れて、保障は満80歳の誕生日がある月の末日までです(2026年9月29日確認)。加入には生命保険会社の承諾が必要で、健康状態によっては入れないこともあります。フラット35は、健康上の理由などで団信に入らない場合も利用できます。

民間の住宅ローンの団信の条件(入れる年齢、保障が終わる年齢、健康状態の扱い)は、金融機関ごとに違います。

60歳からのローン「リ・バース60」

リ・バース60は、住宅金融支援機構と提携した民間の金融機関が扱う、60歳以上の人向けの住宅ローンです。いわゆる「リバースモーゲージ型」のローンで、ふつうの住宅ローンとは返し方が大きく違います(以下、住宅金融支援機構の公式ページで2026年9月29日に確認)。

しくみ

主な利用条件

項目内容(2026年9月29日確認)
年齢借入を申し込む日に満60歳以上(50歳以上60歳未満でも使えるが、借りられる上限が低くなる)
使いみち住宅の建設・購入、リフォーム、住宅ローンの借換え、サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金など。生活費や投資用の物件には使えない
借りられる上限担保の評価額の50%または60%以内で、1億2,000万円以下、かつ必要な金額以内。長期優良住宅は60歳以上なら55%または65%。50歳以上60歳未満は30%
金利のタイプ変動金利、全期間固定金利など(扱いは金融機関ごとに違う)

上限は「担保の評価額」の割合で決まります。評価額は買う値段と同じとは限らないので、購入に使う場合は、自分で出すお金(家を売ったお金や預金)がかなり必要になります。また、実際の条件は取り扱う金融機関ごとに違い、どこでも扱っているわけではありません。取扱金融機関は機構のページで確認できます。

ノンリコース型とリコース型の違い

家を売っても、売ったお金で元金を返しきれないことがあります。そのとき残った借金をどうするかで、2つの型があります。

型家を売っても借金が残ったとき選べる金利タイプ
ノンリコース型相続人は残った借金を返さなくてよい全期間固定金利はこの型だけ。変動金利などでも選べる
リコース型相続人が残った借金を返す必要がある変動金利など(全期間固定金利では選べない)

※住宅金融支援機構の公式ページによると、利用者の約99%がノンリコース型を選んでいます(2026年9月29日確認)。

相続人への影響と注意点

税金のことは状況によって変わるので、税務署や税理士に相談しましょう。

老後の住み替え先の選び方

50・60代の住み替えでは、「今の暮らしやすさ」だけでなく、「10年後、20年後に体が弱っても暮らせるか」を考えます。

駅・病院・お店までの距離

バリアフリー

マンションは「管理」を見る

マンションは、建物の手入れを管理組合で行います。管理費と修繕積立金は、住んでいる限り毎月かかり、年金生活になっても続きます。修繕積立金は途中で上がることがあるので、長期修繕計画や積立金の残高を購入前に確かめましょう(修繕積立金の値上げを購入前に確かめる方法)。火災保険の考え方はマンションの火災保険の相場で説明しています。

戸建ては維持費を自分で用意する

戸建てには修繕積立金がないかわりに、外壁や屋根、水回りの修理のお金を自分でためておく必要があります。庭の手入れや雪かき、2階への上り下りが負担になることもあります。「今の戸建てがきつくなってきたから住み替える」という人は、次の家で同じことが起きないかを見ておきましょう。

災害への備え

水害・土砂災害・地震などのリスクは、市町村が公開しているハザードマップで確かめられます。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、洪水や土砂災害などのリスクを地図に重ねて見られ、各市町村のハザードマップへのリンクもまとまっています。避難所までの道のりが、自分の足で歩けるかも確かめておきましょう。

親との同居・二世帯住宅

50代では、親の介護などをきっかけに、親との同居や近くへの住み替え、二世帯住宅を考える人もいます。

まとめ

50・60代からの住宅購入では、まず「何歳まで返すか」と「老後の家計で返せるか」を分けて考えます。フラット35は申し込むときに70歳未満で、80歳までに返し終える期間で借ります(2026年9月29日確認)。民間の条件は金融機関ごとに違います。現金で買うかローンを使うかは、医療・介護・修繕のお金を手元に残せるかで考え、ローンなら住宅ローン控除の条件(10年以上の返済など)と団信の年齢も確かめます。60歳以上なら、毎月は利息だけを払うリ・バース60もありますが、相続人が元金を返すか家を売ることになる点を家族と共有しておきましょう。住み替え先は、駅や病院への近さ、段差の少なさ、管理や維持費まで含めて選びます。

この記事は一般的な情報の提供を目的としており、特定の物件・住宅ローン・金融機関をおすすめするものではありません。借りられる額や期間、団信の加入は金融機関の審査で決まります。税金(住宅ローン控除、売却の特例、債務免除益、贈与税)の扱いは税務署や税理士、登記や持分は司法書士、家計や資産の計画はファイナンシャルプランナー、物件の取引は宅地建物取引士にご相談ください。

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出典(12件)

  • 住宅金融支援機構【フラット35】「【フラット35】ご利用条件」(申込時の年齢、借入期間、80歳までの完済)https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html (2026年9月29日確認)
  • 住宅金融支援機構【フラット35】「親子リレー返済」https://www.flat35.com/loan/lineup/oyako/index.html (2026年9月29日確認)
  • 住宅金融支援機構【フラット35】「新機構団信の加入要件・保障内容」https://www.flat35.com/danshin_menu/shin-danshin/kanyuu.html (2026年9月29日確認)
  • 住宅金融支援機構「【リ・バース60】」(しくみ、元金の返し方、ノンリコース型・リコース型、債務免除益)https://www.jhf.go.jp/kojin/yushihoken_revmo/index.html (2026年9月29日確認)
  • 住宅金融支援機構「【リ・バース60】ご利用条件」https://www.jhf.go.jp/kojin/yushihoken_revmo/jouken.html (2026年9月29日確認)
  • 住宅金融支援機構「【リ・バース60】ご利用中・お亡くなりになったときのお手続」https://www.jhf.go.jp/kojin/yushihoken_revmo/hensai.html (2026年9月29日確認)
  • 住宅金融支援機構「【リ・バース60】取扱金融機関」https://www.jhf.go.jp/kojin/yushihoken_revmo/kinyukikan.html (2026年9月29日確認)
  • 国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm (令和8年4月1日現在法令等。2026年9月29日確認)
  • 国税庁 No.1225 住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等(繰上返済で借入期間が10年未満になった場合)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1225_qa.htm (2026年9月29日確認)
  • 国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm (令和8年4月1日現在法令等。2026年9月29日確認)
  • 日本年金機構「ねんきん定期便」https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/index.html 、「ねんきんネット」https://www.nenkin.go.jp/denshibenri_kojin/n_net/ (2026年9月29日確認)
  • 国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト」https://disaportal.gsi.go.jp/ (2026年9月29日確認)

最終確認日:2026年9月29日 / 関連:ローン計算・諸費用計算・予算の決め方・修繕積立金・火災保険・住宅資金の贈与