5年で値上がりがはっきりした市区町村は?関東の中古マンション・戸建ての取引価格で比べる
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651都3県の中古マンション123市区町村のうち、㎡単価の中央値が5年前よりはっきり上昇した数
「住みたい街は、この5年でどれくらい上がったの?」と気になっている人に向けた記事です。国の取引価格のデータを当サイトが市区町村ごとに集計し、5年前と今をくらべました。1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)の中古マンションでは、くらべられた123市区町村のうち65で、価格が「はっきり上がった」という結果でした。上がった街は23区だけでなく、さいたま市大宮区・国分寺市・八王子市など郊外にも広がっています。
- あなたが1都3県で中古マンションを探しているなら、5年前より値段が上がったと考えて予算を立てるのが無難です。とくに東京都は、多くの街ではっきり上がりました。
- あなたが戸建てを探しているなら、「上がった」の多くは新築の値段の話です。中古の戸建てにそのまま当てはめないでください。
- あなたの候補の街の数字を見るときは、取引の件数と築年数(建ってからの年数)も一緒に見てください。
制度は変わることがあります。手続きの前に公式情報もご確認ください。
中古マンション:はっきり上がった市区町村
東京都では、くらべた42のうち34で「はっきり上がった」という結果でした。
ほかの3県では、「差がはっきりしない」のほうが多い結果でした。
「はっきり上がった」は、件数から見て、たまたまではなく上がったと言える、という意味です。「差がはっきりしない」は、上がったかどうかを言い切れない、という意味です(くわしくは次の節)。
| 都県 | くらべた数 | はっきり上昇 | 差がはっきりしない |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 42 | 34 | 8 |
| 神奈川県 | 39 | 17 | 22 |
| 埼玉県 | 24 | 9 | 15 |
| 千葉県 | 18 | 5 | 13 |
| 1都3県の計 | 123 | 65 | 58 |
はっきり上がった65のうち、上がり方の大きい10を並べました。売れた家の広さや築年数が5年前と大きく変わった街などは、のぞいています。まず「変化」の列を見てください。価格は1㎡あたりで、家1軒の値段ではありません。
| 市区町村 | 変化 | 1㎡あたりの価格 5年前→今 | 件数 5年前→今 |
|---|---|---|---|
| さいたま市大宮区 | +69.1% | 45.2万→76.5万円 | 84→90 |
| 国分寺市 | +57.4% | 53.7万→84.6万円 | 66→73 |
| 港区 | +53.8% | 130.0万→200.0万円 | 825→567 |
| さいたま市浦和区 | +44.8% | 57.2万→82.9万円 | 162→132 |
| 調布市 | +44.7% | 54.3万→78.6万円 | 170→150 |
| 葛飾区 | +42.9% | 50.0万→71.4万円 | 386→332 |
| 川崎市高津区 | +41.4% | 53.8万→76.2万円 | 247→186 |
| 昭島市 | +40.0% | 30.0万→42.0万円 | 41→59 |
| 江戸川区 | +39.4% | 50.8万→70.8万円 | 375→311 |
| 川崎市多摩区 | +39.4% | 36.9万→51.5万円 | 143→122 |
この数字は、売れた家の値段の真ん中の値(中央値)の変化です。同じ家が69%値上がりした、という意味ではありません。これから先も上がることを示すものでもありません。
表のほかにも、江東区・府中市・北区・千葉市中央区・相模原市中央区・八王子市などが+37〜39%ではっきり上がりました。
「はっきり上がった」「差がはっきりしない」とは?
中央値は、その年にたまたまどんな家が売れたかでも上下します。
そこで当サイトは、件数などから「中央値はおそらくこのあいだ」という幅を、5年前と今で出しました(統計でいう95%信頼区間)。件数が少ないほど、また売れた家の値段がばらばらなほど、幅は広くなります。
- 5年前は「1㎡40万〜45万円のどこか」、今は「50万〜56万円のどこか」→ 重ならないので、はっきり上がった。
- 5年前は「40万〜52万円のどこか」、今は「48万〜60万円のどこか」→ 重なるので、差がはっきりしない。
「差がはっきりしない」は、「変わっていない」という意味ではありません。「上がったかどうかを、データからは言い切れない」という意味です。
くわしく知りたい人へ:集計のしかた
- データ:国土交通省の「不動産取引価格情報」です。実際に家を買った人へのアンケートをもとにした取引価格です。
- 期間:5年前は2020年4月〜2021年3月、今は2025年4月〜2026年3月の取引です。
- くらべる値:中古マンションは、広さのちがいをならすため1㎡あたりの価格(㎡単価)を使いました。戸建ては、土地と建物を合わせた価格です。
- 対象:両方の期間で取引が30件以上ある市区町村だけです。当サイトの市区町村ごとの相場ページで強い注意書きを付けているもの(中古マンションの熊谷市・白井市・青梅市、戸建ての寄居町・銚子市・山武市)は数えていません。
- 多摩市(+80.6%)のように、変化が大きくても上の表に入れていない街があります。売れた家の築年数が若くなったり、最新の件数が少なかったりして、取引の中身が変わっているためです。
中古マンション:差がはっきりしない市区町村
この表は、「割安な街」の一覧ではありません。
差がはっきりしない58のうち、注意書きのない16から、いくつかを変化の小さい順に抜き出しました。下の2つのように、大きく上がって見えても言い切れない街も入っています。
| 市区町村 | 変化 | 1㎡あたりの価格 5年前→今 | 件数 5年前→今 |
|---|---|---|---|
| 千葉市稲毛区 | −2.2% | 25.0万→24.5万円 | 131→132 |
| 座間市 | +8.4% | 25.2万→27.3万円 | 99→76 |
| 川越市 | +12.2% | 25.5万→28.6万円 | 132→113 |
| 所沢市 | +17.3% | 30.9万→36.3万円 | 164→106 |
| 千葉市花見川区 | +50.0% | 15.8万→23.8万円 | 107→79 |
| 鎌ケ谷市 | +90.6% | 11.9万→22.7万円 | 32→30 |
稲毛区や座間市は、中央値がほとんど、または少ししか動いていません。
反対に、鎌ケ谷市(+90.6%)や花見川区(+50.0%)は、大きく動いていても差がはっきりしません。鎌ケ谷市は両方の期間とも30件ほどで、数件の取引で中央値が大きく変わりうる市です。花見川区は、売れた家の値段のばらつきが大きいと考えられます。
広さ・駅からの距離・建物の状態のちがいは、中央値には表れません。値段が上がっていない理由も、このデータからは分かりません。
戸建て:「上がった」「下がった」の中身
戸建ての「上がった」は、おもに新築の家の値段が上がったことを表しています。
戸建ての取引には、新築(建売住宅=土地と建物をセットで売る家など)が多く入っています。1都3県の167市区町村のうち66では、今の期間に売れた戸建ての築年数の中央値が0〜1年でした。167のうち、はっきり上がったのは58、差がはっきりしないのは108、はっきり下がったのは1(袖ケ浦市)でした。
茨城・栃木・群馬まで広げた関東7都県では、「はっきり下がった」市は4つです。どの市も、売れた家の築年数が大きくのびています。
| 市 | 変化 | 取引価格の中央値 5年前→今 | 築年数の中央値 5年前→今 |
|---|---|---|---|
| 袖ケ浦市(千葉県) | −40.0% | 2,750万→1,650万円 | 1→34年 |
| 日立市(茨城県) | −53.3% | 1,800万→840万円 | 11→35年 |
| 前橋市(群馬県) | −32.5% | 2,000万→1,350万円 | 1→25年 |
| 太田市(群馬県) | −33.3% | 2,400万→1,600万円 | 0→20年 |
たとえば袖ケ浦市では、5年前は売れた家の半分近く(46%)が新築でした。今は新築が2割弱(17%)になり、築年数の中央値は34年でした。
つまり、同じような家の値段が下がったのではありません。売れた家が、新しい家から古い家に入れかわった影響が大きいと考えられます。「家が安くなった街」とは読まないでください。
茨城・栃木・群馬は、くらべられる市区町村が少なく、ほとんどが「差がはっきりしない」でした。
自分が住みたい街をたしかめるには
1都3県なら、関東の相場(市区町村別)から、当サイトの市区町村ごとのページを開けます。
「5年前と比べて上がった?下がった?」の節で、年ごとの中央値・件数・築年数と、差がはっきりしているかが見られます。
- 調布市で、広さ70㎡(家族向けのマンションによくある広さ)の中古マンションを考えている場合。
- 5年前の中央値で計算すると、54.3万円 × 70㎡ = 約3,800万円。
- 今の中央値で計算すると、78.6万円 × 70㎡ = 約5,500万円。
これは、中央値から出した目安です。この値段で買える、という意味ではありません。駅からの距離や築年数で、値段は大きく変わります。
大事なのは「どれだけ上がったか」より、「今の値段で無理なく返せるか」です。今の値段で予算を立てましょう。予算の逆算シミュレーションで、年収から家の値段の目安を出せます。予算に合う街は、年収・予算で買える関東の市区町村でさがせます。
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、地図から過去の取引価格を無料で調べられます。気になる家の近くの取引と見くらべるのに役立ちます。
更新履歴(1件)
- 知識のない人にも分かるよう、文を短くし、言葉の言い換えと具体例を足した(数字・条件は変更なし)(冒頭の3行でわかる結論、判定の仮の数字の例、調布市70㎡の当てはめの例を追加。長さの目安に合わせ、表の行と列を絞り、変化率の分布の表と北関東の別表を本文の1文にまとめ、節を10から6に(載せた数字は元のまま))
出典(3件)
- 国土交通省「不動産取引価格情報提供制度」https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000069.html
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ「XIT001 不動産価格(取引価格・成約価格)情報取得API」https://www.reinfolib.mlit.go.jp/help/apiManual/xit001/
- 当サイトの集計:5年比較(2020年4月〜2021年3月と2025年4月〜2026年3月。両期間とも30件以上、中央値の95%信頼区間で判定)。「不動産取引価格情報」(国土交通省)をもとに当サイトが集計・加工(2026年9月30日取得)