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街の下見、いつ・何を見る?日曜の昼の1回では見えないもの

4回下見に行く場面の目安(平日の朝・平日の夜・休日の昼・雨の日)

制度は変わることがあります。手続きの前に公式情報もご確認ください。

家を買う前の街の下見は、平日の朝・平日の夜・休日の昼・雨の日の4回に分けて歩くと、見落としが減ります。ただし、この話にはオチがあります。

ソウさんとミオさん(架空の夫婦です)は、晴れた日曜の昼に、候補の街を1回だけ歩きました。ソウさんは駅前のベンチに座り、「ここが最高の街だ」と言いました。ミオさんは帰りの電車で、もうカーテンの色を決めていました。

翌週の水曜、朝7時半。ソウさんは同じ駅で、まったく別のものを見ることになります。

日曜の昼に1回歩けば十分? 街には「よそ行きの顔」がある

晴れた休日の昼は、街がいちばんよそ行きの顔をしている時間です。ソウさんがひと目ぼれしたのも、この顔でした。

水曜の朝、ソウさんはストップウォッチを持って、候補の家から駅まで歩きました。踏切につかまり、信号に2回止められて、着いたら12分。チラシには「駅から徒歩7分」とありました。日曜に座ったベンチは、電車を待つ人の列の向こうです。ホームの窓には、上着を脱いで汗をふく「最高の街」の住人候補が映っていました。

「12分だった」
「チラシの7分の人は、踏切につかまらなかったんだよ」

広告の「駅から徒歩○分」と、信号待ちや坂、踏切をふくめて実際に歩いた時間は、ちがうことがあります。1回だけの下見では、たまたま静かな時間や晴れた日の街しか見られません。だから下見は、生活の場面ごとに1回ずつ行きます。

共働きなら、2人の通勤の時間がずれていることもあります。それぞれの「いつもの時間」に歩いてください。候補の街は、先に年収・予算で買える関東の市区町村で絞っておくと、下見の回数を無駄にしません。下見は購入の流れでいう「物件探し」の段階の作業です。

4回歩くと決めたソウさんは、その足で登山靴を買いに行きました。

平日の朝・夜・休日・雨の日、それぞれ何を見る?

平日の朝は、通勤の時間に候補地から駅まで歩いて、分数を測ります。駅ではホームの混み方を見て、自分が乗る電車に乗ってみます。子どもがいるなら、登校の時間に通学路も歩きます。歩道があるか、車がスピードを出していないか、横断歩道や信号はあるかを見ます。

平日の夜は、仕事帰りと同じ時間に、駅から候補地まで歩きます。見るのは、街灯の数と明るさ、人通り、暗い公園や空き地の横を通らないかです。遅くまで開いている店があるか、買い物に使うスーパーの閉店時間と品ぞろえも見ておきます。

ミオさんは、値引きシールが貼られる時間まで調べました。
「そこまで見る?」
そう言うソウさんの手には、もう半額の唐揚げがありました。

11月は日が短く、仕事帰りの夜道を本当に暗い状態で確かめやすい季節です(日の入りの時刻は下の「くわしく」に)。昼の街を見たい日は、午前から歩き始めてください。

休日の昼は、公園の使われ方と、お店に来る車の渋滞を見ます。大きな道路の音や、工場・飲食店のにおいも確かめます。平日は静かでも、休日に車の出入りが多くなる場所もあります。日曜のソウさんは、この「休日の顔」だけを見ていました。

雨の日は、道に水たまりができやすいかを見ます。側溝(道のはしの水路)からあふれていないか、坂の下に水が集まっていないかも見ます。駅からぬれずに歩ける区間があるかも確かめます。強い雨や台風の日に出かける必要はなく、ふつうの雨の日で十分です。

歩くときのマナー(敷地に入らない、人を撮らないなど)は、下の「くわしく」にまとめました。

登山靴をはいて張り切るソウさんに、ミオさんがクイズを出しました。

歩く前に家で分かることは? 答えはソファの上にある

次のうち、家から一歩も出ずに調べられるのはどれでしょう。

  1. 通う小学校・中学校の学区(住所で決まる、通う学校の区域)
  2. 空き巣などの犯罪の発生状況
  3. 駅までの道の、坂の高低差

答えは全部です。ソウさんは登山靴をぬいで、ソファに座り直しました。

数字や地図で分かることを先に調べておくと、現地で見る点がはっきりします。使うのは、当サイトの相場ページの「住みやすさ」の表、国の「ハザードマップポータルサイト」、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」、都県の警察のサイト、国土地理院の「地理院地図」の5つです。何がどこで分かるかは、下のチェック表にまとめました。

通う学校は、最後に市区町村の教育委員会で確かめてください。警察の地図は、件数で街の良し悪しを決めるためではなく、「夜にどの道を歩いてみるか」を決めるのに使います。使い方とデータの時点は、下の「くわしく」に載せました。

下見のチェック表:家で調べる所と、現地で見る所

持ち物は、スマートフォン(地図・ハザードマップ・ストップウォッチ・写真)、この表とメモ、歩きやすい靴、雨の日の傘です。子どもがいるなら、ふだんのベビーカーや自転車も持って、実際の道で押したり走ったりしてみます。探偵の道具も、登山靴も要りません。

見る順番は、①家で調べる → ②平日の朝 → ③平日の夜 → ④休日の昼 → ⑤雨の日、が目安です。雨の日は、天気に合わせて入れかえてかまいません。

確かめたいこと行く前にネットで(どこで)現地で(いつ・何を)
駅・電車相場ページ:駅の数、乗降客数の多い駅平日の朝:駅まで歩いた分数、改札やホームの混み方
学校・保育相場ページ:学校・幼稚園・保育所の数/不動産情報ライブラリ:小・中学校区(最後は教育委員会)登下校の時間:通学路の歩道・横断歩道・車の量/保育所への送り迎えの道
治安警察の地図・統計平日の夜:駅から家までの道の明るさ、街灯、人通り、遅くまで開いている店
災害相場ページ:洪水・高潮の面積の割合、土砂災害警戒区域の数/ハザードマップポータルサイト(盛土もここ)雨の日:道の水たまり、側溝のあふれ、坂の下や周りより低い場所
坂・道地理院地図の断面図実際に歩く(ベビーカー・自転車・買い物の荷物を持つつもりで)
街の使われ方・将来不動産情報ライブラリ:用途地域、将来推計人口休日の昼:工場・大きな道路・お店の車や人の出入り
音・におい(公的な地図では分からない)平日・休日・夜:線路・大きな道路・工場・飲食店の近く
買い物・病院不動産情報ライブラリ:医療機関(2020年度のデータ)休日と平日の夜:スーパーの品ぞろえと混み方、営業時間、小児科の場所

ソウさんとミオさんは4回目の下見で、駅前のパン屋の焼き上がり時間を覚えました。家はまだ決まっていません。でも、もう日曜の顔だけでは決めません。

まずは相場ページで、候補の市区町村の住環境の表を開いてください。そのうえで、この表を持って現地を歩いてください。調べても分からないことは、無料の公的な窓口で聞けます(下の「くわしく」に一覧があります)。

くわしく知りたい人へ:調べ先の使い方・データの時点・窓口

家で調べる5つのサイトの使い方と、データの時点

当サイトの相場ページで、駅・学校・災害の想定を見る

当サイトの相場ページには「住みやすさ」の表もあります(例:世田谷区の住環境の表)。東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県で、市区町村ごとのページがある213市区町村が対象です。国土交通省の国土数値情報(国が公開している地図のデータ)を、当サイトが市区町村ごとに集計しました。

  • 駅の数と、乗り降りする人が多い駅(3つまで)。
  • 小学校・中学校・幼稚園などの数と、保育所の数。
  • 洪水や高潮(台風などで海の水位が上がること)で水につかると想定された面積の割合。
  • 土砂災害警戒区域(がけ崩れなどのおそれがある区域)の数。

データの時点:駅は2024年度、学校・幼稚園は2023年5月1日時点(義務教育学校・幼保連携型認定こども園をふくむ)、保育所は2023年度(神奈川県はデータの利用条件のため相模原市を除いて載せていません)、洪水浸水想定区域(想定最大規模)は2025年度版、高潮浸水想定区域は都県ごとの版(埼玉県は海に面していないためありません)、土砂災害警戒区域は都県ごとに2025年3〜7月時点(千葉県は区域の数が市町村の公表と合わないため載せていません)。

注意点が3つあります。

  • 茨城県・栃木県・群馬県は、市区町村ごとの相場ページがなく、この表もありません。
  • 津波・大規模盛土造成地(谷や斜面を土で埋めて造った広い宅地)・用途地域(土地の使い方の決まり)は出していません。公式の値との照合が済んでいないためです。下の国のサイトで見られます。
  • 表は市区町村全体の数字です。住む場所そのものの安全・危険を表すものではありません(数え方と注意)。

ハザードマップポータルサイトで、住所ごとの災害の想定を見る

住所が決まったら、国の「ハザードマップポータルサイト」で調べます。入口は2つです。

  • 重ねるハザードマップ:洪水・土砂災害・高潮・津波などの想定を、1つの地図に重ねて見られます。住所を入れて調べることもできます。大規模盛土造成地の位置も見られます。2026年7月からは、指定避難所も表示できるようになりました。
  • わがまちハザードマップ:市区町村が作ったハザードマップのページにつながります。

国土交通省は、大規模盛土造成地は「すぐに危険な土地」という意味ではないと説明しています。色の意味や液状化の調べ方は、11月13日公開予定の記事「ハザードマップで家を選ぶ」でくわしく説明します。

不動産情報ライブラリで、学区・病院・用途地域を見る

国土交通省の「不動産情報ライブラリ」は、無料で使える地図のサイトです。2026年10月8日に地図の画面で確かめました。小学校区・中学校区、保育園・幼稚園等、医療機関、用途地域、災害の想定区域、将来推計人口などを重ねて表示できます。

学区(住所で決まる、通う小・中学校の区域)の地図の元のデータは2023年度版です。国のデータの説明には、見直しが反映されていない場合や、私立・国立の学校は入っていないことが書かれています。どの学校に通うかは、最後に市区町村の教育委員会で確かめてください。

警察の地図で、犯罪の発生状況を見る

治安は、口コミではなく警察の公表で確かめます。1都3県では、次のページで見られます(2026年10月8日確認)。

  • 東京都:警視庁「事件事故発生マップ」。子どもや女性への声かけ・つきまといや、空き巣・ひったくりなどを地図に出せます。
  • 埼玉県:埼玉県警察「犯罪発生状況マップ」。マークは発生した場所の「付近」です。
  • 千葉県:千葉県警察「くらしの安全マップ」。
  • 神奈川県:神奈川県警察「暮らしの安全情報」。空き巣などの件数を警察署ごとの表で見られます(地図ではありません)。

茨城県・栃木県・群馬県は、各県警察のサイトで確かめてください。件数だけで街の良し悪しは決められません。人が集まる駅前は件数が多くなりやすいからです。地図は「夜にどの道を歩いてみるか」を決める材料に使います。

地理院地図で、坂の高低差を見る

国土地理院の「地理院地図」では、2つの地点の間の断面図(道の高さの変化のグラフ)を作れます。駅から候補地までの坂の目安になります。昔の空中写真も見られます。そこが以前は田んぼや池だったかを知る手がかりになります。

平日の朝:電車の混み方と、通学路の点検

国土交通省の調査では、2025年度の東京圏の主要区間の平均混雑率(運べる人数に対する、乗った人数の割合)は143%でした。前年度より4ポイント増で、最も混む時間帯1時間の平均です。

通学路は、市町村ごとの「通学路交通安全プログラム」で、学校・教育委員会・道路の管理者・警察が合同で点検しています。対策の場所を公表している市区町村もあるので、「(市区町村名) 通学路交通安全プログラム」で探してみてください。

11月の東京の日の入りの時刻

11月は日が短く、夕方の早い時間から暗くなります。国立天文台の計算では、東京の日の入りは次のとおりです。

日付(2026年)東京の日の入り
6月21日19時00分
11月3日16時44分
11月30日16時28分

出典:国立天文台 暦計算室「日の出入り@東京(東京都)」2026年6月・11月(2026年10月8日確認)。太陽の上の端が地平線に重なる時刻。関東のほかの場所では数分ずれます。

11月は17時ごろにはもう暗くなります。仕事帰りの18〜19時の夜道を、本当に暗い状態で確かめられる季節です。

現地でのマナー
  • 家の敷地や、マンションの共用部分(入口や廊下)に、許可なく入らない。
  • 住んでいる人や子どもを撮影しない。写真は、道路から街並みを撮る程度にする。
  • 通学路では、子どもの通行のじゃまをしない。
分からないときに聞ける、無料の窓口4つ

調べても分からないことは、無料の公的な窓口で聞けます。

聞きたいこと窓口
災害の想定、ハザードマップの見方市区町村の防災の担当課(地図を作った所)
用途地域、周りの開発の予定市区町村の都市計画の担当課
学区、通学路市区町村の教育委員会
地域の防犯最寄りの警察署
この記事は一般的な情報です。当サイトは、街や物件の安全・危険、治安の良し悪しを判定していません。災害の想定区域の外でも災害が起きることはあります。学区・都市計画・災害の想定は変わることがあるので、購入を決める前に、市区町村などの公式の情報で最新の内容を確かめてください。

出典(14件)

最終確認日:2026年10月8日 / 関連:関東の相場(市区町村別) / 年収・予算で買える関東の市区町村 / 購入の流れ / 保育所・幼稚園が多い街は相場も高い?