実家を相続したら何をする?相続登記の期限(3年以内)と、住む・貸す・売る・空き家の費用、3,000万円控除の条件
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3年以内相続で取得したことを知った日から、相続登記を申請する期限
親の家(実家)を相続したら、まず相続登記をします。相続で取得したと知った日から3年以内です(2024年4月1日から義務)。そのあと、住む・貸す・売る・空き家のまま持つ、のどれにするかで、税金や手間が変わります。内容は法務省・国税庁などで2026年10月2日に確認しました。
- 親が亡くなり、あなたが実家を相続したと知ったら、3年以内に相続登記をします。2024年3月以前の相続でまだなら、2027年3月31日までです。
- あなたが将来売るかもしれないなら、人に貸したり自分が住んだりする前に考えてください。空き家の3,000万円控除(売った利益から差し引ける特例)が使えなくなります。
- あなたが空き家のまま持つなら、手入れを続けてください。放置して市区町村から勧告を受けると、土地の固定資産税が上がることがあります。
制度は変わることがあります。手続きの前に公式情報もご確認ください。
最初に何をする?期限のある手続き
実家(家と土地)について期限があるのは、おもに次の3つです。
| 手続き | 期限 | だれが |
|---|---|---|
| 相続登記(または相続人申告登記) | 相続で取得したと知った日から3年以内。2024年3月以前の相続は2027年3月31日まで | 不動産を相続した人 |
| 相続税の申告と納税 | 亡くなったと知った日の翌日から10か月以内 | 遺産が基礎控除額をこえる場合 |
| 空き家の3,000万円控除を使う売却 | 相続から3年たつ日の年の年末(2026年の相続なら2029年12月31日)まで、かつ2027年12月31日まで | 条件を満たす家と土地を相続した人 |
たとえば(仮の例)、2026年5月に、1人で暮らしていた父が亡くなったとします。母はすでに亡く、子3人が1975年築の実家を相続します。
- 相続登記:その日に知ったなら、2029年5月までです。
- 相続税:遺産が4,800万円(下で説明)をこえれば、2027年3月までに申告します。
- 空き家の3,000万円控除で売る:「3年を経過する日の属する年の12月31日」は2029年12月31日です。でも特例の期限の2027年12月31日のほうが早いので、それまでに売ります。1975年築は「1981年5月以前」の条件に当たります。相続人が3人以上なので、上限は1人あたり2,000万円です。
だれが実家を相続するかは、ふつう相続人の話し合い(遺産分割協議)で決めます。話し合いに時間がかかっても、登記の期限は進みます。
相続登記とは?期限は3年以内
登記とは、法務局の記録(登記簿)に「この土地・建物はだれのものか」をのせる手続きです。相続登記の義務化は、2024年4月1日に始まりました。
- 相続が始まったことと、その不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請します。
- 正当な理由がないのに申請しないと、10万円以下の過料(行政の罰金のようなもの)の対象です。
- 義務化より前の相続で、まだ登記していない実家も対象です。期限は2027年3月31日です(取得を知った日が2024年4月以降なら、その日から3年以内)。
親や祖父母の名義のままの家や土地がないかは、登記事項証明書(法務局で取れる登記の記録)で見られます。
遺産分割のあとの登記と、正当な理由の例(くわしく知りたい人へ)
遺産分割(相続人の話し合い)のあとにも、登記が要ることがあります。先に法定相続分(民法で決まった割合)どおりに登記し、そのあと話し合いで多く取得した場合です。このときは、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容の登記をします。先に相続人申告登記をしたあと、遺産分割で取得した場合も同じです(不動産登記法76条の2第2項・76条の3第4項)。遺産分割を待っていても、最初の「知った日から3年以内」は延びません。
過料にならない「正当な理由」の例も、法務省は挙げています。相続人がとても多い、遺言が有効かが争われている、重い病気、お金が苦しくて登記の費用を出せない、などです。
話し合いがまとまらないときは「相続人申告登記」
相続人申告登記は、法務局への申し出です。「名義人の相続が始まったこと」と「自分がその相続人であること」を伝えます。
- 相続人の1人だけで申し出られます。ほかの相続人の分もまとめて申し出られます。
- 期限内に申し出れば、相続登記の義務を果たしたことになります。登録免許税はかかりません。オンラインでも申し出られます。
- ただし、売るときは別に相続登記が要ります。
相続登記にかかる税金
相続登記には、登録免許税(登記のときに国に払う税金)がかかります。税率は、不動産の価額(ふつうは固定資産税の評価額)の0.4%です。評価額1,000万円なら4万円です。2027年3月31日までは、価額が100万円以下の土地の相続登記などは、かかりません(免税)。自分で申請するか、司法書士(登記の手続きの専門家)に頼むかは、下の相談先で相談できます。
住む・貸す・売る・空き家:どう比べる?
決まった正解はありません。家族の事情、建物の古さ、場所、相続税がかかるかで変わります。金額は家ごとにちがうので、表にはしくみだけを書きます。
| 選び方 | おもにかかるお金・手間 | 税で知っておきたいこと |
|---|---|---|
| 自分や家族が住む | 固定資産税、修理・リフォーム、引っ越し | 土地の固定資産税の特例が続く。相続税の小規模宅地等の特例の対象になりうる |
| 貸す | 貸せる状態にする修理、管理を頼む費用、固定資産税 | 家賃に所得税がかかる。一度貸すと、空き家の3,000万円控除は使えない |
| 売る | 仲介手数料、契約書の印紙税、解体するなら解体費用 | 利益が出れば税金。条件を満たせば空き家の3,000万円控除 |
| 空き家のまま持つ | 固定資産税、見回り・草木の手入れ、火災保険 | 放置して勧告を受けると、土地の固定資産税の特例が外れる |
固定資産税は、毎年1月1日に土地・建物を持っている人にかかる税金です(標準税率1.4%)。家が建っている土地には、住宅用地特例があります。固定資産税の計算のもとになる額(課税標準)が、200㎡までの部分は6分の1、それをこえる部分は3分の1になります。家を取り壊して更地にすると、次の年からこの特例がなくなり、税金が上がることがあります。
空き家を放置すると、市区町村から指導を受けることがあります(空家法)。「管理不全空家」(手入れが足りない空き家)や「特定空家」(周りに危険などがある空き家)とされた場合です。それに従わず勧告を受けると、この特例が受けられなくなります。
売るときの流れは、自宅を売るときと同じです(自宅売却の流れ7ステップ)。近くの取引価格は市区町村の相場で調べられます。
住所変更登記・ほかの売るときの特例(くわしく知りたい人へ)
名義人になったあとに引っ越したら、住所変更登記も要ります。期限は2年以内です。
相続税を払った人には、別の特例もあります。相続した財産を一定の期間内に売ると、払った相続税の一部を取得費に足せます(国税庁 No.3267)。取得費は、家を買ったときの値段など、利益の計算で引ける額です。空き家の3,000万円控除とは一緒に使えません。相続人が実家に住んでから売る場合は、自分の家を売ったときの3,000万円控除(No.3302)の対象になることがあります。
空き家の3,000万円控除の条件は?(2027年12月31日まで)
亡くなった人が住んでいた家や土地を相続して売ったときの特例です。売った利益(譲渡所得)から、最高3,000万円を差し引けます。対象は2027年12月31日までの売却です。2024年以後の売却で、相続人が3人以上なら1人あたり2,000万円までです。
おもな条件は次のとおりです。
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てた家であること。分譲マンションなどは対象外です。
- 相続の直前に、亡くなった人が1人で住んでいたこと(老人ホームに入っていた場合は、条件によって対象)。両親で住んでいて父が先に亡くなったときは、その時点では対象外です。
- 相続の時から売る時まで、人に貸したり、住んだり、事業に使ったりしていないこと。
- 家を耐震の基準に合うようにして売るか、取り壊して土地を売ること。売ったあと、次の年の2月15日までに工事や取り壊しが行われる形でもかまいません。
- 売った値段が1億円以下であること。親子や夫婦など、特別な関係の人に売ったのではないこと。
- 相続から3年を経過する日の属する年の12月31日(相続から3年目の年末)までに売ること。
使うには、売った次の年に確定申告をします。家のある市区町村の「被相続人居住用家屋等確認書」(被相続人=亡くなった人)などが要ります。売る前に、実家のある市区町村の担当課を調べておきましょう。
相続税はかかる?
相続税は、正味の遺産額(財産から借金・葬式費用などを引いた額など)が基礎控除額をこえるときにかかります。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人(民法で決まった相続人)の数」です。法定相続人が3人なら、3,000万円+600万円×3=4,800万円です。これ以下なら、申告も納税も要りません。
土地には、小規模宅地等の特例もあります。亡くなった人が住んでいた土地を、条件を満たす家族が相続したときに使えます。330㎡まで、相続税の計算に使う土地の評価額を80%減らせます。ただし、使うには申告が要ります。特例で税額が0円になっても、申告が要ることがあるので注意してください。細かい条件は、税務署か税理士に確認しましょう。
まとめ:どこに相談する?
親が元気なうちは、家の名義と、権利証や固定資産税の通知書の場所を聞いておきます。相続したら、まず相続登記(3年以内)。次に、相続税がかかるかの確認(10か月以内)。そして、住む・貸す・売る・空き家のどれにするかを決めます。決める前に、次の無料の窓口で相談できます(2026年10月2日確認)。
| 相談したいこと | 相談先 |
|---|---|
| 自分で相続登記をしたい | 実家のある地域の法務局の「登記手続案内」(予約制、1回20分以内。電話・窓口・ウェブ会議)。担当の法務局は「管轄のご案内」で探す |
| 相続税・売ったときの税 | 国税局の電話相談センター、税務署(書類を見る相談は予約して面接) |
| 登記を頼みたい・手続き全般 | 司法書士会の「司法書士総合相談センター」 |
| 空き家をどうするか | 都県や市町村の空き家相談。たとえば「東京都空き家ワンストップ相談窓口」、埼玉県の「空き家コーディネーター」 |
空き家バンク(空き家を売りたい人と買いたい人をつなぐ、おもに市町村のしくみ)もあります。親から家を買うお金の援助を受ける話は、住宅取得資金贈与の非課税にあります。
更新履歴(1件)
- 知識のない人にも分かるよう、文を短くし、言葉の言い換えと具体例を足した(数字・条件は変更なし)(冒頭の3行でわかる結論、2026年5月に父が亡くなり子3人が相続する仮の例を追加。本文を約8,500字から約4,500字に短くし、関東7都県の空き家相談の表と法務局の一覧は相談先の表の例と「管轄のご案内」にまとめ、遺産分割後の登記・住所変更登記・取得費加算は「くわしく知りたい人へ」にたたんだ)
出典(32件)
- 法務省「相続登記の申請義務化について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
- 法務省「相続登記の申請義務化特設ページ」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00590.html
- e-Gov法令検索「不動産登記法」(第76条の2・第76条の3・第164条)https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
- 法務省「相続人申告登記について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00602.html
- 法務省「住所等変更登記の申請義務化について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00693.html
- 法務省「住所等変更登記の義務化特設ページ」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00687.html
- 法務局「登記手続案内」https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page_000001_00050.html
- 法務局「管轄のご案内」https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html
- 国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
- 国税庁 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm
- 国税庁 No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3202.htm
- 国税庁 No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7108.htm
- 国税庁 No.1370不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
- 国税庁 No.4102 相続税がかかる場合 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4102.htm
- 国税庁 No.4152 相続税の計算 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm
- 国税庁 No.4205 相続税の申告と納税 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
- 国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
- 国税庁 No.7191 登録免許税の税額表 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm
- 国税庁「国税に関するご相談について」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/index.htm
- 総務省「固定資産税の概要」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_08.html
- 国土交通省「空き家対策 特設サイト」(空家法とは)https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/akiya-taisaku/articles/2024020105.html
- 日本司法書士会連合会「司法書士総合相談センター」https://www.shiho-shoshi.or.jp/activity/consultation/sougousodansenta/
- 日本税理士会連合会「税理士会の相談会に行ってみる」https://www.nichizeiren.or.jp/consultation/info/
- 東京都住宅政策本部「東京都空き家ワンストップ相談窓口」https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/akiya/mado/tokyo
- 神奈川県「空き家に関する相談窓口」https://www.pref.kanagawa.jp/docs/zm4/akiya/soudanmado.html
- 神奈川県「県内市町村の空き家相談窓口一覧(令和8年4月1日時点)」https://www.pref.kanagawa.jp/documents/15334/r80401.pdf
- 埼玉県「『空き家コーディネーター』にご相談ください!」https://www.pref.saitama.lg.jp/a1106/akiya/r7_akiyacoodinator.html
- 埼玉県「市町村空き家バンク」https://www.pref.saitama.lg.jp/a1107/akiyabanku.html
- 千葉県「空き家対策」https://www.pref.chiba.lg.jp/juutaku/seisaku/akiya/akiyataisaku.html
- 茨城県「市町村空き家バンク一覧」https://www.pref.ibaraki.jp/doboku/jutaku/minkan/01class/class14/09akiya/07akiya.html
- 栃木県「とちぎ空き家サイト」https://tochigi-akiya.pref.tochigi.lg.jp/
- 群馬県「空き家関連情報」https://www.pref.gunma.jp/page/5689.html