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変動金利と固定金利どっちを選ぶ?2026年の金利差の計算と判断材料

約2,338万円4,000万円・35年で、金利1.2%と3.8%が35年続いたときの総返済額の差

変動金利は今の金利が低い代わりに将来の返済額が決まっておらず、全期間固定は金利が高めな代わりに完済までの返済額が決まります。日本銀行の利上げが続き、「変動と固定のどちらにするか」で迷う人が増えています。この記事では、3つの金利タイプの仕組み、2026年10月の金利の水準、金利の差が総返済額にどう効くかを数字で整理します。正解は人によって違うため、判断の材料をまとめました。

この記事のポイント
  • 変動金利は今の金利が低い代わりに、将来の返済額が決まっていません。全期間固定は金利が高めな代わりに、完済までの返済額が決まります。
  • 2026年10月に借りる場合、フラット35の最も多い金利(3.83%)と三菱UFJ銀行の変動金利(1.195%)の差は約2.6%です。4,000万円・35年で、金利1.2%と3.8%が35年続くと、総返済額は約2,338万円違う計算です。
  • 選ぶときは「金利の予想」より、家計の余裕、返済期間、金利が上がっても払えるかを確かめることが大切です。

制度は変わることがあります。手続きの前に公式情報もご確認ください。

3つの金利タイプの違い

住宅ローンの金利には、大きく分けて3つのタイプがあります。違いは「金利がいつ変わるか」と「返済額がいつ決まるか」です。

タイプ金利の決まり方よい点注意点
変動金利型借りたあとも、通常半年ごとに金利が見直される借りる時点の金利が低め。金利が下がれば返済が減る金利が上がると返済が増える。総返済額が借りる時点で決まらない
固定金利期間選択型最初の一定期間(例:3年・10年・20年)だけ金利を固定する固定期間中は返済額が変わらない期間が終わったときの金利は決まっていない。上がっていれば返済が増える
全期間固定金利型借りた時の金利が完済まで変わらない。フラット35はこのタイプ完済までの返済額が決まり、計画を立てやすい変動型より金利が高め。金利が下がっても返済は減らない

変動金利型では、金利は半年ごとでも、返済額は5年ごとにしか変えない「5年ルール」と、上げ幅を1.25倍までにする「125%ルール」を設けた商品が多くあります。返済額が急に増えない代わりに、金利が大きく上がると利息を払いきれない「未払利息」が出ることがあります。ルールがない銀行もあり、詳しくは変動金利の利上げで返済額はいくら上がる?で説明しています。

固定期間の長さや終了後の扱いは銀行ごとに違います。たとえば三菱UFJ銀行は固定期間が3年・10年・20年で、終了時に固定か変動かを選び直せます。全期間固定コースは途中でタイプを変えられません(2026年9月30日確認)。

出典:住宅金融支援機構「金利のタイプとは?」https://www.flat35.com/hajimete/atoz/01.html / 全国銀行協会「変動で返す?固定で返す?住宅ローンの金利タイプ」https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-d/5212/ / 三菱UFJ銀行「住宅ローン金利」https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/yuuguu/index.html (いずれも2026年9月30日確認)

日銀の政策金利の動き(2026年9月の決定)

日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利(無担保コールレート・オーバーナイト物の誘導目標)を1.0%程度から1.25%程度に引き上げました。9月24日から適用され、決定は賛成7人・反対2人でした。

全国銀行協会は、日銀の利上げを受けて住宅ローンの変動金利の上昇が続いていると説明しています(2026年6月18日)。この記事では将来の金利を予想せず、「上がったらどうなるか」を計算で確かめます。

出典:日本銀行「金融市場調節方針の変更について」2026年9月18日 https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260918a.pdf / 同 2026年6月16日 https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260616a.pdf / 日本銀行「金融政策決定会合の運営」日程 https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/index.htm / 全国銀行協会「住宅ローン利用者に対する金利変動リスク等に関する説明について」https://www.zenginkyo.or.jp/news/2026/n061801 (いずれも2026年9月30日確認)

2026年10月の金利の水準(例)

フラット35は、お金を受け取る月の金利が表示されています。三菱UFJ銀行も「10月に借り入れる場合」の金利を示しています。申し込んだ月ではなく、借りる月の金利を確かめましょう。

ローン(新規借入)タイプ金利(年)
三菱UFJ銀行(2026年10月に借りる場合)変動金利1.195%
同上固定期間10年3.75%
同上全期間固定(31〜35年)4.35%
フラット35(21〜35年・融資率9割以下、2026年10月)全期間固定3.83%
フラット20(借入期間15〜20年・融資率9割以下、2026年10月)全期間固定3.51%

※フラット35・フラット20は、取扱金融機関が提供する金利のうち最も多い金利で、新機構団信付きの場合です。三菱UFJ銀行は店頭表示金利から引き下げた後の金利で、審査などで変わることがあります。フラット35・フラット20の9月の最も多い金利はそれぞれ3.46%・3.14%で、10月はどちらも0.37ポイント上がりました(9月の値は2026年9月30日確認)。

この例では、変動金利と全期間固定(フラット35)の差は約2.6%です。同じ銀行(三菱UFJ銀行)の変動と全期間固定(31〜35年)では約3.2%の差です。実際の金利は銀行や審査で違うので、複数の金融機関で確かめてください。

出典:住宅金融支援機構「【フラット35】借入金利の推移・金融機関別の金利」https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/kinri/index.php/rates/top (2026年10月・9月の資金受取分)/ 三菱UFJ銀行「住宅ローン金利(新規お借り入れ)」https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/yuuguu/index.html (2026年10月1日現在の表示)(10月の金利は2026年10月2日、フラット35の9月の金利は2026年9月30日に確認)

計算例:金利の差で総返済額はいくら変わる?

まず、金利が35年間ずっと同じだった場合を比べます。

計算の前提と式
  • 借入4,000万円、元利均等返済、返済期間35年(420回)、ボーナス返済なし。保証料・事務手数料・団信の上乗せ金利は含みません。
  • 毎月の返済額 = 借入額 × 月利 ÷ {1 −(1 + 月利)の−420乗}。月利は年利÷12です。
  • 総返済額 = 毎月の返済額 × 420回。毎月の返済額は1円未満、総返済額は1,000円未満を四捨五入(0.1万円単位)しています。
  • 金利1.2%は変動、3.8%は全期間固定の例示です。1.2%は三菱UFJ銀行の10月の変動金利1.195%、3.8%はフラット35の10月の最も多い金利3.83%を、切りのよい数字にしました(出典:住宅金融支援機構【フラット35】金利情報、三菱UFJ銀行「住宅ローン金利(新規お借り入れ)」。いずれも2026年10月2日確認)。
金利(35年間一定)毎月の返済額総返済額うち利息
1.2%(変動の例)116,681円4,900.6万円900.6万円
2.0%132,505円5,565.2万円1,565.2万円
3.0%153,940円6,465.5万円2,465.5万円
3.5%165,316円6,943.3万円2,943.3万円
3.8%(全期間固定の例)172,343円7,238.4万円3,238.4万円

1.2%と3.8%では、毎月の返済額で55,662円、35年の総返済額で約2,338万円の差です。ただし、変動金利が35年間ずっと1.2%のままという保証はありません。そこで、変動金利が途中で上がった場合を計算します。

変動金利が6年目から上がった場合

変動1.2%で5年(60回)返すと、残りの元金は約3,526万円です。6年目の初めに金利が上がり、その後30年間その金利が続くとして、返済額を計算し直しました(5年ルール・125%ルールがない場合)。

6年目からの金利6年目からの毎月の返済額総返済額固定3.8%との差
1.2%(変わらない)116,681円4,900.6万円−2,337.8万円
2.2%(+1.0%)133,885円5,520.0万円−1,718.5万円
3.2%(+2.0%)※152,491円6,189.8万円−1,048.7万円
4.2%(+3.0%)※172,431円6,907.6万円−330.8万円
5.2%(+4.0%)※193,621円7,670.4万円+432.0万円

※当初の返済額の1.25倍(145,851円)を超えます。125%ルールがある商品では返済額はそこで止まり、払いきれない利息は未払利息などとして後に回ります。総返済額 = 116,681円 × 60回 + 6年目からの返済額 × 360回。総返済額と「固定3.8%との差」は四捨五入前の値で計算しているため、表の数字どうしを引いた値と0.1万円ずれることがあります。当サイトの計算(2026年10月2日時点)。

この例では、6年目から金利が約4.6%を超えて続くと、総返済額が固定3.8%を上回ります。一方で、毎月の返済額は金利が2%上がっただけで3万5,000円以上増えます。総額で得かどうかと、毎月払い続けられるかどうかは、別に確かめる必要があります。

自分の借入額や金利で試すときは、住宅ローン返済シミュレーターを使えます。金利を0.5%ずつ上げたときの返済額も表示されます。

変動と固定、どっちを選ぶ?判断材料

住宅金融支援機構の調査では、2025年4〜9月に住宅ローンを借りた人の75.0%が変動型を選んでいます。一方で、金利が上がったら返済がどれだけ増えるかを「理解しているか少し不安」「よく理解していない」「全く理解していない」と答えた人は、合わせて52.0%でした。どのタイプを選ぶにしても、仕組みと自分の家計を確かめてから決めることが大切です。

出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)」https://www.jhf.go.jp/files/topics/4955_ext_99_0.pdf (回答1,237件)、調査の方法(インターネット調査会社のモニター)は https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/user/index.html (いずれも2026年9月30日確認)

考えるときの3つの軸

判断材料確かめること変動の金利上昇に対応しやすい状態の例
家計の余裕金利が1〜2%上がったときの返済額を、今の家計で払えるか貯蓄が多い、返済負担率が低い
返済期間何年で返し終える予定か。期間が長いほど、金利の変化の影響を長く受ける借入額が少ない、返済期間が短い
金利上昇への耐性返済が増えたとき、繰上返済や支出の見直しで対応できるか収入に余裕がある、教育費などの大きな出費の時期が見えている

全国銀行協会の解説では、家計に余裕がある人や借入額が少ない人は変動のリスクに対応しやすく、余裕が少ない人や長期で借りる人は固定の安心感が大きい、という考え方が示されています。変動と固定を組み合わせる「ミックス」という方法も紹介されています。いずれも一般的な考え方で、どれが合うかは家計によって違います。

出典:全国銀行協会「住宅ローン、変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか悩んでいます」https://www.zenginkyo.or.jp/article/life/myhome/4379/ (2026年9月30日確認)

借りる前に銀行に確かめること

全国銀行協会は2026年6月18日、変動金利型・固定期間型の金利上昇リスクについて、銀行が利用者に説明する内容の申し合わせを見直しました。次の点は、契約までに書面などで説明を受けられます。

わからない点は契約前に質問しておきましょう。金利以外の費用(事務手数料・保証料・団信)の違いは、住宅ローンの事務手数料・保証料を銀行別に比較で整理しています。

出典:全国銀行協会「住宅ローン利用者に対する金利変動リスク等に関する説明について」2026年6月18日 https://www.zenginkyo.or.jp/news/2026/n061801 (別紙 https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/news/news380618.pdf 、2026年9月30日確認)

予算を決めるときの考え方

金利タイプの前に、「いくら借りるか」を決めることが大切です。金利が上がっても返せる額かどうかは、年収別の予算の早見表で確かめられます。借りたあとに固定へ借り換える方法もありますが、諸費用がかかります。

まとめ

この記事は一般的な情報の提供を目的としており、特定の金利タイプや金融機関、住宅ローン商品をおすすめするものではありません。将来の金利を予想するものでもありません。実際の金利・返済額・契約条件は金融機関に確認し、家計全体の判断はファイナンシャルプランナーなどの専門家への相談もご検討ください。

出典(10件)

最終確認日:2026年10月2日 / 関連:ローン計算・変動金利の利上げ・予算の早見表・手数料の比較・用語集:固定金利期間選択型